レビュー
スマホの所有が1人1台の今、大人から子どもまでスマホは生活に欠かせないツールとなっている。要約者の家庭もその例にもれず、たとえばリビングでくつろいでいるとき、ふと顔を上げると家族全員がそれぞれのスマホを眺めていることがある。
スマホを使い続けることで、もっとも影響を受けるのは「目」である。小さな画面をずっと見続けていると目が疲れて、頭までぼーっとしてくる。大人ですらそうだから、スマホが子どもに与える影響はいかばかりか。
本書では眼科専門医である著者が、スマホを使いすぎている現代人に警鐘を鳴らす。「スマホアイ」とは著者が考えた名称で、近くばかりを凝視する「スマホ用の目」のことを指す。スマホアイになると眼球運動の鈍化や視野狭窄、両眼視機能の衰えなどが起こり、その結果、学力や運動能力にも悪影響を及ぼすという。とくに発達過程にある子どもがスマホを長時間使うことは、想像するよりもずっと怖いことなのだ。
要約者の目が点になったのは「眼球のラグビーボール化」だ。普通、眼球は野球ボールのような球体をしているが、スマホを見続けているとラグビーボールのような楕円形に歪む。一旦変わってしまった形は元に戻らず、ひどい場合は緑内障や網膜剥離になる可能性もあるという。本書では、スマホアイを防ぐ対策もしっかりと解説している。
目をつぶりたくなるような話がいくつもあるが、痛い目に遭う前に目を通しておいて損はない。現代人必読の一冊だ。
本書の要点
・近くばかりを凝視するスマホ用の目「スマホアイ」になると、目の機能が低下して脳や体に悪影響を及ぼす。具体的には、近視の進行、視野狭窄、遠近感がつかめないなどで、ひいては学力や運動能力の低下も招く。
・「見ること」と子どもの脳の発達には密接な関係がある。目と脳の「見る能力」を伸ばすには、6歳ごろまでにいろいろなものを実際に見せて、脳に刺激を与える必要がある。
・スマホアイを防ぐには「近くを長時間見続けないこと」が大切だ。そのための方法として「20・20・20ルール」がある。
フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に3,300タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。