レビュー

本書『一生迷わないお金の選択』は、日経マネーの大口克人氏と、金融・保険商品を一切売らない「正直FP」の菱田雅生氏とによる共著であり、大人気シリーズの第2弾にあたる。NISA制度の拡充や日経平均の上昇を背景に、今まさに「お金の選択」に迫られている、そんな人たちの悩みに応える一冊だ。


本書は、私たちが日々直面するお金に関する迷いや選択を「A or B」という二択形式で整理し、プロの視点からわかりやすく解説している。「お金を貯めるには預貯金で十分か、リスク商品で投資すべきか」「住居は持ち家か賃貸か」など、誰もが考えたことのある悩ましい問題を網羅している。
特に本書の魅力は、FPとして中立な立場で情報を提供する菱田氏と、大口氏が日経マネーで培った豊富な経験をもとに、読者が自分に合った最適解を導き出せるようにしている点だ。どちらの選択肢にもメリットとデメリットがあり、一概にどちらが正しいというわけではない。だからこそ、2人のプロが提供するアドバイスが光る。
新NISAのスタートや金融市場の不安定さが続く今、誰もがお金の問題に無関心ではいられない。お金に関して正しい選択をし、将来に備えたいと思うなら、本書は大いに役立つはずだ。身近で具体的な二択からお金のことを学べる、初心者にもおすすめの一冊だ。

本書の要点

・「貯金」か「投資」か。預貯金は安全資産とされるが、円安やインフレといったリスクがあり、金利はかなり低く抑えられている。よりお金を増やしたいのであれば投資をする必要がある。
・「企業型DC・iDeCo」か「NISA」か。

老後資金がメインであればまずはDCを満額行い、そのうえでNISAも組み合わせるのがいいだろう。
・年金は「繰り上げ」か「繰り下げ」か。どちらが得かに正解はない。国民年金と厚生年金でそれぞれ分けて受給できるため、生活状況に応じて判断するといいだろう。



フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に3,300タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。

編集部おすすめ