レビュー
世界でトップクラスの「長寿大国」となった日本。それ自体は喜ばしいことだが、高齢者の増加にともない、高齢者が引き起こすさまざまな事件や社会問題も増えている。
できれば自分は「老害」になりたくない……。ほとんどの人はそう思うだろうが、残念ながら誰もが「老害」になる可能性がある。本書によると、その理由は「脳の老化」だ。脳の機能が衰えていくことで、人の話を聞かない、感情的になりやすい、過去に固執して新しいことを受け入れない……といった「老害」の症状が現れるのだという。
本書では、脳科学者の著者が「老害脳」に陥りやすい環境や生活習慣を指摘し、脳の老化を食い止める具体策を提案する。著者の加藤俊徳氏は、『脳の強化書』『1万人以上の脳を見た名医が教える すごい左利き』など、脳に関する著書を多数世に送り出している脳のエキスパートだ。特に、脳をエリア別に分けた「脳番地」を活用した能力開発や脳機能の向上策は、幅広い世代に支持されている。
本書では、「老害脳」にならないための脳番地別強化テクニックも紹介する。ぜひ日々の生活で実践し、今から脳の老化予防に取り組んでいただきたい。
本書の要点
・私たちの脳は、社会課題に少なからず影響を与えている。
・脳は役割に応じて8つのエリアに分けられ、それぞれ『脳番地』と呼ばれる。各番地が衰えると、さまざまな「老害」の兆候が出てくる。
・45歳から75歳が「脳の中年期」だ。脳の老化を抑えるには、この時期に脳機能を強化する必要がある。
・思考系脳番地を鍛えるには、意図的に新しいことに取り組むといい。感情系脳番地は、「自分で自分をほめる」ことで強化される。
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