レビュー

「あなたは言葉の囚人だ」。本書の冒頭で、この言葉が胸に突き刺さる。

プレゼンや会議で他人の話が長く、要領を得ないように感じる場面がある。毎日膨大なメールを処理していると、読みづらい文面は流し読みされがちだ。だが、いざ自分が発信する側に立つと、説明が長くなってしまう。
現代人は日々、膨大な量の情報にさらされ、集中力が不足している。それなのに、私たちは現代のコンテンツの消費スタイルに適応できずに、何世代も前からの書き方をしているのだ。
本書は、思考を研ぎすまして、少ない言葉ではるかに多くの内容を伝えるための原則と、実践的な方法の指南書だ。本質がパッと頭に入りやすいような工夫が随所に凝らされている。著者らはデジタルメディアを立ち上げたジャーナリストだ。彼らは「スマート・シンプル」という戦略を編み出し、記事制作や経営に活かすことで、成功を収めてきたという。
スマート・シンプルを使えば、相手に一番大事なことを伝えられる。さらには、自分自身が時間を節約し、より重要なことを明確にできる。メール作成、会議、プレゼン、社内コミュニケーションなど、応用範囲は実に広い。
これからは、情報の受け手を重視した簡潔な伝え方が、本質的な時間の使い方を支える強力な武器となるだろう。

本書の要点

・現代の人々は、大量の情報にさらされ、時間と集中力を失っている。言葉を短く、簡潔にする「スマート・シンプル」の戦略によって、価値ある考えをわかりやすく伝えられる。
・スマート・シンプルが目指すのは、タイトルでつかみ、リード文でいちばん大事なことを伝え、「なぜそれが重要か?」を示すことだ。くわえて、相手が望む以上のことは伝えず、「さらに知る」のパートで詳細を伝える。
・メールや会議、スピーチ、プレゼン、職場のコミュニケーションにスマート・シンプルを導入すれば、仕事が首尾よく進む。



フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に3,300タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。

編集部おすすめ