レビュー

「ありえ値ぇ!」「年間売上10億円突破」「ギリギリまで踏ん張りましたが原料が高くなり容量見直し…悔しいです!」こんなインパクトのあるパッケージに思わず目を奪われ、つい手に取った経験はないだろうか?
これらはドン・キホーテ、通称ドンキの商品パッケージにプリントされたキャッチコピーだ。ドンキと言えば、圧縮陳列やキャッチーなPOPを使った独特の店舗づくりで広く知られている。

その中でも近年、消費者の注目を集めるパッケージには、必ずと言っていいほど「ド:情熱価格」のロゴが付いているのをご存じだろうか。このロゴの付いたPB(プライベートブランド)商品を買おうと、多くの人がドンキに足を運ぶという。
本書では、売上高2兆円超、35期連続増収という驚異的な成長を遂げるドンキの組織文化を、PBリブランディングプロジェクトを軸に紐解いていく。著者は、代表取締役社長CEOの吉田直樹氏、PB事業統括責任者の森谷健史氏、そしてプロジェクトパートナーである博報堂の宮永充晃氏だ。通読すれば、消費者の心を掴む商品を次々と生み出す仕組みや、ドンキの挑戦の足跡に迫ることができるだろう。
本書は、吉田氏がハワイ法人の社長として入社するも、ドンキという会社があまりに「変わっていること」に驚いたという記述から始まる。さて、吉田氏を驚かせたドンキの企業文化とは?
――その答えは本文で明かされる。ぜひドンキの独自の企業文化と成功の秘密を探ってみてほしい。

本書の要点

・2019年に社長に就任した吉田は、当時のPB「情熱価格」の認知度の低さに危機感を覚え、リブランディングプロジェクトを立ち上げた。
・森谷、宮永らのプロジェクトチームは、社内のヒアリングなどを通して、“驚きの面白さ”こそがドンキのコアな価値であるという結論を導いた。この発見をもとに、パッケージのヒントが生まれた。
・ドンキには権限委譲の文化がある。

この文化のもと、全国のドンキスタッフ一人ひとりが高速でPDCAを回し、改善を行っている。



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