レビュー
もし、「明日から会社に来なくていい」と言われたら?
これはたとえ話だが、アメリカでは珍しいことではないようだ。要約者が真っ先に思い出したのは、イーロン・マスク氏によるツイッター社の買収である。
「世界最高の職場」と名高いグーグルも例外ではない。2023年、1万2000人以上の従業員が突然解雇されたのだ。しかもそれは、深夜3時のメールで知らされたという。いまどれほど良い地位や環境を得ていても、それは永遠ではない。いや、明日には消えてなくなる可能性すらあるのだ。アメリカ人は、そんなヒリヒリとした現実感とともに生きている。
本書は、そうした彼らがどのように気持ちをポジティブに保ち、人生や仕事と向き合っているのかを説いた一冊である。そのキーワードとなるのが「自然」だ。彼らは休日になると山や森、海へと向かう。自然の中で過ごしながら自分と向き合い、ちょっとやそっとでは動じない自分を手に入れるのだ。
また、日常的に瞑想やマインドフルネスを取り入れ、内面のメンテナンスを欠かさない。本書では、アメリカ在住の著者が取材したビジネスエリートの「休み方」や、さまざまなマインドフルネスの実践法を紹介している。
彼らの休み方は、日本のビジネスパーソンにも大いに参考になるはずだ。自身のパフォーマンスを高めるためにも、ぜひ手に取ってみてほしい。
本書の要点
・アメリカのビジネスエリートは、「何があっても大丈夫」な自分を創り、仕事以外に「生きがい」を見出すため、休暇を自然の中で過ごしている。
・「デジタルデトックス」で自由な時間を生み出し、創造的な活動をしよう。朝起きたら頭の中に浮かんだことを書き出していくと、眠っていた創造性が解き放たれる。
・成功者たちは瞑想をしている。瞑想をすることで自分の優先すべきことが明確になり、より多くの時間を生み出せるからだ。
・週に120分自然の中で過ごせば、健康が向上し認知能力も高まる。
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