レビュー
「誰にも何にも期待しない」――このタイトルを見て、驚いた人もいるかもしれない。「期待しない人生なんてさみしくない?」「上司から期待されなかったら悲しいかも」と感じた人もいるだろう。
著者の長倉顕太氏は、作家、プロデューサー、編集者として活動してきた人物である。28歳で出版社に転職し、数々のベストセラーを手がけたのちに独立。現在は本やコンテンツのプロデュースや、これらを活用したマーケティングを個人や法人に伝えている。その成功の秘訣は、ベストセラー『移動する人はうまくいく』でも語られている通り、「移動すること」にある。
もう一つ、長倉氏が大切にしているのが「期待しない」姿勢だ。本書のまえがきによれば、「期待しないこと」によって「失敗を恐れて行動しない」「失敗して落ち込んで行動を止める」ことがなくなるという。結果として、行動力が高まり、成功しやすくなるのだ。
本書では、「人生に期待しない」「自分の能力に期待しない」「友達に期待しない」「上司に期待しない」「社内の評価に期待しない」など、計31の対象について「期待しない」スタンスを保つべき理由と、その具体的な実践方法が示されている。
期待しないことは、諦めることではない。過度な期待に振り回されず、自分軸で生きるための思考法である。
もしかすると、あなたがしんどくなっている原因は、期待しすぎることにあるのかもしれない。
本書の要点
・自分の人生や能力に期待しない人間は、失敗を恐れず挑戦できる。その姿勢が変化の時代を生き抜く力となる。
・親子や家族、友人など人間関係の悩みはすべて他人への期待が原因。互いに期待や依存を押しつけるのではなく、それぞれの人生と選択を尊重することで成熟した人間関係が築ける。
・価値観が合い、力を発揮できる会社に出会えることは、極めて稀だ。会社や職業、社内の評価に頼らず、自分で稼ぐ力を身につけよう。
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