レビュー

ビジネスパーソンの必須スキルと言われる「論理的思考(ロジカルシンキング)」。しかし、実際にそれを使いこなせている人は、どの程度いるだろうか。


本書では、演繹法や帰納法、ゼロベース思考といった基本的な手法から、3Cやマーケティングの4P、MECE(モレなくダブリなく)などの代表的なフレームワークが多数紹介されている。イラストや図解を交えながら平易な言葉で解説されているため、初学者でも負担なく読むことができる。また、「言葉は知っているけど、実はよくわかっていない」という人の理解も深まるはずだ。
論理的思考はビジネスシーンで活用されるイメージが強いが、私たちは日常生活においても無意識に使っている。たとえば、友人とランチに行くときに「あの店は混んでいるから、こっちの店にしよう」「みんなが好きなメニューがある店にしようか」といった何気ない会話もその一例である。「あの店は混んでいる」「みんなが好きなメニューがある店」といった基準を共有しながら、全員が納得できる結論を導き出そうとしている。論理的思考は、プライベートから仕事まで、幅広く活用できる便利なスキルなのだ。
本書はタイトルのとおり、中高生向けに書かれた論理的思考の入門書である。しかし同時に、「論理的思考を基礎から学びたい」「しっかりと使いこなせるようになりたい」と考えるビジネスパーソンにとっても、大いに役立つ内容だ。論理的思考を身につけたいと考える、すべての人に勧めたい。

本書の要点

・論理的思考とは、物事を筋道立てて考え、結論を導き出すためのスキルである。
・「演繹法」とは一般的な法則から個別の結論を導き出す手法で、正確さが求められる場面で活躍する。

一方、個別の事例や観察から共通点を見いだし、一般的な結論を導く「帰納法」は、未知の領域を探索する場面で多用される。
・物事を整理してわかりやすくするための枠組み「フレームワーク」には、「3C」「マーケティングの4P」「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)」などがあり、ビジネスシーンで活用されている。



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