レビュー

退勤した後も仕事のことが頭から離れない──そんな日々が続いているとしたら、あなたはもしかすると「過緊張」状態かもしれない。
本書の著者、奥田弘美氏は現在、約20社の企業で嘱託産業医として活動している。

本書はそんな著者が、現代の働く人々に多く見られる「過緊張」という状態に焦点を当て、そのメカニズムと対処法・予防法をわかりやすく解説した一冊だ。
過緊張とは、自律神経のうち交感神経が過度に優位になり、心身が休まらない状態が続くことを指す。退勤後も仕事のことばかり考えてしまう、疲れているのに眠れない、食欲がないといった症状は、まさに過緊張のサインだ。本書では「レスト→リラクゼーション→レクリエーション+ストレス原因への対処」という3段階のセルフケア法を提案し、緊張状態からの回復を促す。
とくに印象深いのは「レスト→リラクゼーション→レクリエーション+ストレス原因への対処」の順番の大切さだ。レストは睡眠や食事、リラクゼーションは入浴やストレッチ、レクリエーションはスポーツや友人との飲み会が代表的な例だが、レストを経ずにリラクゼーションやレクリエーションを実践すると、かえって体調が悪化することがあるそうだ。
不調を感じながらも「まだ大丈夫」「頑張ればなんとかなる」と思っているまじめで責任感の強いあなたに、本書をぜひ読んでほしい。

本書の要点

・過緊張とは、ストレスの影響により自律神経系の交感神経が過度に緊張した結果、引き起こされる症状の通称だ。
・過緊張へのセルフケアは「レスト」「リラクゼーション」「レクリエーション」の3つに分類される。これらはレスト→リラクゼーション→レクリエーションの順で取り組むことが重要だ。
・セルフケアに取り組んでも過緊張症状が「1~2週間以上ほぼ毎日続いている」、もしくは「毎日ではないが、症状が頻繁に出るようになり、仕事や生活に支障がでてきている」のであれば、速やかに医療機関を受診するべきだ。



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