レビュー

頭の良し悪しは、知識量やテストの点だけでは計りきれない。ペーパーテストの成績が良くても、話がわかりづらかったり、説明が下手だったりする人はいるものだ。

物事の本質を瞬時にとらえて理解し、それをわかりやすく説明できる力は、思考における重要な力の一つである。
本書は、flier book campの人気講座から生まれた、思考の整理術をとことんわかりやすく教える一冊だ。レッスンは、主人公のタカシと、AIロボットの「コウゾウ」との対話をもとにしたストーリー形式で進んでいく。タカシは入社2年目の社員だが、構造的な思考を苦手としているために、仕事も周囲との関係もうまくいかない。そんなタカシも、コウゾウのわかりやすいレッスンを通して、構造的思考を身につけて成長していく。本書を読むことで、読者もその過程を追体験できる。現実にはまだコウゾウは存在していないが、本書の方法論を理解して実践していけば、自分の頭の中でもコウゾウと対話しつつ、実践できるようになっていくだろう。
本書で紹介されている、構造化思考のメソッドは、情報をわかりやすく整理し伝えたいと願う人にとって幅広く役立つメソッドだ。本書では、思考の方法を5Pというわかりやすいフレームワークで方法論化しているため、順を追ってしっかりと学び理解していけば、主人公のタカシと同じように、自ずと構造化思考を身につけられるはずだ。

本書の要点

・構造化思考とは、複雑なモノや情報を、目的に最適な形で、視覚的にわかりやすくまとめるための思考である。
・構造化思考のためのフレームワークの5Pとは、「Purpose:目的」「Piece:断片」「Perspective:視点」「Pillar:支柱」「Presentation:表現」の5つである。
・構造化思考は、クリティカル・シンキングの実践であり、日々の中で5Pを反復することで、自身を客観視するための高い視点に立つための思考の跳躍力を身につけられる。



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