レビュー
「仕事時間のタイパを高めて、効率よく成果を出したい」。本書は、そんな人に対して、極めて実践的なヒントを与えてくれる。
著者の森田ゆき氏は、外資系企業で20年以上にわたり役員秘書を務め、常に質と速さを両立するとともに、エグゼクティブたちの仕事ぶりを間近で見てきた人物である。現在は独立し、オンラインイベントのプロデュースを手がけ、8000人以上を動員。多忙な登壇者に合わせて細やかに対応し、円滑な運営を実現している。
本書では、仕事のスピードを高めながら、同時に質を落とさず成果を上げるための、外資系エグゼクティブ&秘書の100のテクニックが紹介されている。スケジュールの立て方や業務効率を高めるコツから、プライベートを充実させる習慣づくりまで、多様なアプローチが詰まっているのが特徴だ。
なかでも印象的だったのは、コミュニケーション術の章である。会議を30分で終える工夫、プロジェクトの全体像を付箋で可視化する方法、お礼を動画で伝えるといった、思わず「試してみたい」と感じるアイデアが豊富に盛り込まれていた。
本書は、タスクに追われて毎日があっという間に過ぎてしまう人、仕事と私生活のバランスに悩む人、自分の時間をもっと自由に使いたいと願う人におすすめしたい。タイパを意識した働き方が身につけば、時間に追われる日々から脱し、人生にゆとりと満足感が戻ってくるだろう。
本書の要点
・通勤電車の中では、その日の流れを頭の中でシミュレーションしよう。自然と仕事モードに切り替わり、スムーズに業務へ移行できる。
・良好な人間関係は、タイパにもよい影響をもたらす。
・タイパのよい働き方を目指すなら、趣味の予定はあえて平日の夜に入れるとよい。予約時間が迫ることで仕事への集中力が高まるうえ、日中の時間を前向きに過ごせる。
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