リアルな体験談や心境をポップに時にダークに伝えていく『全力! 女芸人小出真保の婚活ダイアリー』。

一人暮らしの物件を見て絶望した私は、別れよう。
と、言ってしまい、本当に別れることになってしまったのですが、流れで2人で恋愛映画を見ることに。えびおくんをふと見ると…泣いてる! やっぱり…私のこと好きは好きってことだよね? えびおくんの涙を見てしまうと私はどうしてもそう思ってしまいます。別れるなんて悲しすぎる。私は立ち直れない気がする。えびおくんと会えない日々が来るなんて嫌だ。

私はなんとかしようとしますが全部失敗、えびおくんの心は戻ってこないのでしょうか…。


これまでのエピソードはこちら

■まだ好きなのに

「結婚にメリットない」「彼女ならいいけど結婚となると…」ハッキリとこう言われ、かなりのダメージをくらっていました。この8ヶ月間、一体なんだったのか。この結末を誰が予想していたのだろうか。せっかくマッチングアプリで出来た彼氏だったのに。この期間で得たものは…整理整頓のスキル、謎のエビデンス料理のレパートリー、以上。

もうお別れということになっているのに、えびおくんは普通に話しかけてくるし、一緒に恋愛映画を見て泣いてる。まだ望みがあると思ってしまう。
今までの恋愛の終わりは、冷めて好きじゃなくなったとか、他に好きな人ができたなど、フラれたことはあっても、まだこんなに大好きな状態で別れたことなんてありませんでした。付き合えばいつも長く続くというのが私の特徴だったのに…。

どうしてえびおくんとはこうなった? いや、私から別れようって言ったんだっけ? なぜそうなった? そんなことばかり頭の中はグルグルでした。原因なんてこの時はわかりません。ただ私は「まだ好き、だから別れるなんてありえない」ということだけが一番大切でした。彼は運命の人というよくわからない無理矢理の自信もありました。
彼はちゃんと考えて別れを受け入れたのに、私はいっさい尊重する気がありませんでした。

大人しく受け入れ、今後の教訓にすればいい。学びをありがとう、と。よく失恋の慰めで聞きます。正直、そんなこと出来たら苦労しない。このあと私が彼にとった行動は、復縁の可能性が50パーくらいあったところ15パーくらいに下げたと思います。


関連記事:千鳥・大悟の「自分のお葬式でかけてほしい曲」に絶賛の声 「泣いちゃう」

■心が壊れる

別れるんだから、もう自分の荷物を持って帰る…というこだよな。でも、まだ望みがあるのは間違いないという自信がある。どうしよう、なにかせねば、と、バカすぎる発言をしてしまいました。

「正直…婚活は再開しようと思うんだよね」「だって、私もともと年末までに結婚したかったし、それが出来ないとなると、もう動かないと」。これを言って、彼がじゃあ、俺と! と、なるか? さっきあなたとは結婚は無理と言われたばかりなのに。

えびおくんは「ふーん」と言い、真顔になりました。あ、これ…えびおくんがよくやる顔だ。
言い返す言葉がない、傷ついたときの顔。やってしまった。さらに私は「えびおくんが取りたい資格持ってる人とか友達に紹介もされてて、超稼いでる人で」。

ちょっと待って、私ってサイコパスなのか? 紹介の話は嘘ではなかったのですが、こんな男のプライドをズタズタにする発言あえて言えるなんて、自分が怖い。ですが、こうなったのはやっぱり「あなたとは結婚は無理」が相当ショックだったのです。

心が壊れていました。
あんなに頑張ったのに。家事以外は大してがんばっていなかったかもしれないけれど、メリットがないとかそんなことまで言われるほど、私には価値がなかった? 自分はどうなのよ! と、怒りに変わっていました。

■頭も壊れる

さらに、余計な発言を連発しました。「じゃあ、どんな人とだったら私、合うと思う? 結婚できる?」…なんでこんなこと言うんだろう、心も頭も壊れていました。「うーん…そうだねぇ。なんでも受け入れてくれる人かな」。これも少しグサっときました。ようは、器のでかい海のような男以外は無理ってことでしょうか?

自分で聞いておいて不機嫌になった私は「えびおくんはね、あなたは凄いねって常に褒めてくれてなんでも合わせてくれて、はいはい言う聞き分けのいい、つまらない女が合うかな」。言っちゃった…めちゃくちゃ感じ悪い、ただただ性格の悪い発言。最悪。こんなのドンドン嫌われるだけです。えびおくんは呆れて、もう無視していました。

まずい。完全終了に向かっている。どうしよう。トイレに行き、スマホを開きました。スマホ即検索症候群、発症です。「復縁 彼の心を取り戻す」「元カレ やり直す方法」と検索。すでに元カレって打ってんじゃんと自分にツッコミながら調べると、あるある、大量に復縁サイトがあることを知りました。試してみよう。

■無視連発

まずは、大人しく受け入れ謝罪する。と、書いてありました。セリフとしては「わかった、別れよう、今までごめんね」です。受け入れないといけないのか…イヤですがもうこのサイトを信じるしか道はありません。「わかった、別れよう、今までごめんね」言いました。えびおくん、無視。

えっと、次は「本当にありがとう、楽しかった」だな。セリフ通り言いました。えびお、無視。最後は「落ち着いたらまた話し合ってくれる?」だな、よし、決めよう。心をこめて言いました。私は、女優。えびお、無視どころか軽く舌打ち。そして「ねぇ、帰らないの?」と、一度もこっちを見ませんでした。

優しいえびおくんはもう、そこにはいませんでした。どうやら嫌われたらしいです。本当に帰るしかありません。えびおくんの部屋を出ました。これが現実とは思いたくありませんでした。なんとかしないと、なんとか展開を変えないと。私も、どうしてここまで彼にこだわっていたのでしょうか。あんなにも喧嘩してあんなにもストレス溜まっていたのに。それでも、好きだから、なのか…。

復縁サイトをもう一度開きました。すると「冷却期間」という文字が入りました。なるほどな。そりゃあ、冷却期間明けないといけないのはわかる。そんなことは私たちは何度もやってきたから。ただ、今回のはそうはいかない。もしかしたら、数ヶ月単位かもしれない。今から長期戦に入るしかないのだろうか。

しかし、えびおくんもえびおくんです。別れたのに、数日後、本を返してほしいという電話がきました。やっぱり私たち戻れるんだ♪と思いきや、ただ本が必要なだけだった? そして、最期の後ろ姿…さようなら、えびおくん。

◆こいでまほ

太田プロ所属のものまねタレント。フジテレビ系で放送の『 ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』で優勝経験あり。
aiko、優香、泉ピン子などものまねネタ多数。近年はナレーションなどの活動も積極的に行っている。

・合わせて読みたい→ヒロミ、ご飯をごちそうしたときに感じる世代間ギャップ 「今の若い子って…」