タモリ(78)の終活に注目が集まっている。全国を街歩きする「ブラタモリ」はレギュラー放送を終えた。

最終回となった3月9日の番組にはテロップが流れることもなければ、特別な演出もなく、タモリがコメントすることもなかった。番組終了後、NHKの公式サイトにこう記されただけ。


「2015年からお届してきた今のスタイルでの放送は3月9日の回をもって、いったん区切りをつけることになりました。今後、さらに楽しんでもらえるような番組になることを目指して、検討を続けていきます」


 視聴者は戸惑いや驚きもあっただろうが、《特別なことを何もしない、まさにタモリさんらしいですね》との声に多くの賛同が寄せられていた。


 テレビ朝日系「ミュージックステーション」も月2回程度とソフトランディングするなか、「ブラタモリ」終了はタモリからの申し出との見方があるらしい。


「来年8月、80歳をめどに芸能界を引退するとタモリさんは胸に決めているそうです。

それまで、さらにその後の第二の人生を見据え、マイペースでやっていこうというのではないでしょうか。だから『ブラタモリ』レギュラー終了も、決して暗くない。むしろ明るさすら感じさせていましたから」(スポーツ紙芸能デスク)


「ブラタモリ」は世帯視聴率が10%前後と、人気が落ちたわけじゃないし、特番などで、今後も随時、復活するとの期待感も視聴者は抱いている様子。女性自身はことし2月、「もう一度見たい!タモリ司会の番組」アンケートを男女300人を対象に実施、第3位「ブラタモリ」、2位「タモリ倶楽部」(テレ朝系)、1位「森田一義アワー 笑っていいとも!」(フジテレビ系)だったという。引退、老後という年代になってなお、人気者なのだ。


「ご本人は、郷里の福岡へ戻ることを考えているらしいです。

盟友の井上陽水さんも福岡に戻られているそうですし」と前出の芸能デスクは続けた。


「頑張ると疲れる。疲れると続かない」といったタモリ語録を体現していくのだろうか。構成作家のチャッピー加藤氏はこう言う。


「タモリさんは団塊世代ですけど、この世代がよく陥る“老害”とは無縁の人です。俺が俺がとしゃしゃり出るところがまったくない。

『ブラタモリ』も、『知識をひけらかして』という人がいますが、そうではなく、自ら培った知識が自然とにじみ出ているだけです。その知識も、人並み外れた観察眼と好奇心で自然と身につけたもので、別に番組のために勉強したわけじゃない。『笑っていいとも』にタモリさんを抜擢した故・横沢彪プロデューサーは、その“知性”を買ってオファーしたと語っています」


 レギュラー番組が長く続いたとしても、それに固執しないのがタモリ。


「仕事のために無理をするのではなく、自分が無理しないと続けられない仕事は、そうなる前に辞める。引き際の美学というよりも、自分の生き方に正直なだけで、普通に生きているだけ。だからタモリさんは愛されるんだと思います。

そうできない人が大半ですから」(チャッピー加藤氏)


 タモリ語録に、「人間、行き当たりばったりが一番」というのもある。節目だ引退だ第二の人生だ、などとしゃちほこばる世間の方こそ、おかしいのだろう。