旧ジャニーズ事務所の創業者であるジャニー喜多川氏による性加害問題で、昨年来日して調査を行った国連のビジネスと人権の作業部会の動向に再び注目が集まっている。ことし6月、人権理事会に提出する最終報告書が、「誹謗中傷コメントも言論の自由」と発言したスマイル社の東山紀之社長(57)らの動向を報告書に盛り込むのではないか、というものだ。

「当事者の会」元代表の平本淳也氏はこう言う。


「作業部会はジュネーブ本部に最終報告すべく調査を続けていて、私もヒアリングに参加したりしています。被害者補償がいくばくかは進んでいるとはいえ、ジャニー喜多川氏のほかに事務所スタッフ2人による性加害があったこと、さらに誹謗中傷者を擁護するような社長発言は看過できないでしょう。国連の『ビジネスと人権』では問題企業だけでなく、その取引先の姿勢も強く問われます。日本のメディアやスポンサー筋も、寝ぼけた旧ジャニーズ擁護の無理がたたることになるでしょうね」


 スマイル社発足に際し、東山社長は「被害者の補償のみ行い、その後は廃業する」と会見で宣言した。しかし、現在もジャニーズ時代の事業と資産を保有し、ファンクラブもそのままなら、音楽原盤権などもそのまま。

10日に後継会社「スタートエンターテイメント」による発足コンサートを東京ドームで開催する。スタート社はスマイル社の「ダミー会社」同然とジャーナリストの松谷創一郎氏が指摘するのも、そのためだ。


■誹謗中傷を認めるような発言は配慮なのか?


「国内メディアもこの問題の追及の手を休めたら駄目だと思います。ヒガシ(東山社長)の誹謗中傷を認めるような発言には、そこにファンも含まれ、スタート社の門出に障害とならないよう配慮した可能性もあると思います。かつてウルトラマンと呼ばれていたヒガシの、無表情で無機質なマスクを引き剥がし、本当の、本音のところが別にあるなら、引き出すべきです」(平本氏)


 このままでは元のもくあみ。身を潜めたまま風化による幕引きを狙う藤島ジュリー景子元社長の高笑いを許してはならない。