《ついに本格ブレイクか?》なんて声もあちこちで上がっている。


 杉咲花(26)主演の「アンメット ある脳外科医の日記」(カンテレ・フジテレビ系=月曜夜10時)で、ミステリアスな脳外科医・三瓶友治を演じている若葉竜也(34)。


「1990年代、大衆演劇の子役として注目された“チビ玉三兄弟”の三男で、杉咲さんとは2020年のNHK朝ドラ『おちよやん』でも共演しています。今回は杉咲さんからの“指名”もあっての起用らしいですが、地上波民放GP帯のドラマに出るのはレアですから、注目していたファンからは《とうとう見つかってしまったか》なんて言われてますね」(テレビ誌ライター)


「アンメット」は、不慮の事故で記憶障害となってしまった脳外科医・川内ミヤビ(杉咲)が悩み葛藤しながら患者と向き合い、自身も再生していくという医療ヒューマンドラマ。若葉は、ミヤビの前に現れたアメリカ帰りの優秀な脳外科医という役どころで、独特な風貌と言動のアクの強いキャラクターだ。


「記憶障害の脳外科医という難役を、ふとした仕草や表情で繊細に演じている杉咲さんも素晴らしいですが、若葉さんも“こっちが主役バージョンも見てみたい”と思わせる存在感。その相乗効果は間違いなくドラマの魅力になっています」


 そう語るのはテレビコラムニストの亀井徳明氏。亀井氏は「ちょっと今までにありそうでなかったキャラ設定がピタリとハマっている」と、こう続ける。


「医療ものでも刑事・法曹ものでも、“頑張るヒロイン”と“ぶっきらぼうな男”が反発しながら……という話はよくありますが、『アンメット』の2人の関係性はそれとはまったく違う点が新しいですね。初回でいきなり視聴者の心を掴んだ“三瓶先生”は、ミヤビを支えるだけでなく、第2話のラストで早くもミヤビの婚約者であったことを告げます。そして第3話ではそれまでのクールな語り口だけでなく、岡山天音さん演じるかつてのミヤビの同僚・綾野がミヤビと仲良く会話しているのを見て『あの野郎!』と控えめにいきり立つ面も見せてくれました。このドラマで彼を知った人が夢中になるのがよく分かる場面でした」


 ネット上には《岡山天音、井浦新、酒向芳などクセ強系の中であれだけの存在感を自然に放つのがすごいな》《前クールの『ふてほど』では河合優実。それに続く掘り出し物感》《初回で存在を知り、彼の過去作を検索した》などなど、絶賛する声が多数。


「杉咲さんと若葉さんが『アンメット』で演じているのは、ある意味“型破りな脳外科医”。

型破りといえば、今期は“武道もできる大手建設会社部長”と“殺人犯を無罪にする弁護士”が視聴率トップを争っていますが、“恋人を治すためにアメリカから戻ってきたグミが好きな脳外科医”の型破り感に引き込まれている人だって大勢います」(前出の亀井徳明氏)


 5月に入り、春ドラマはこれから中盤に向かう。


「杉咲さんの“そばかす”も話題になっていましたけど、話し方とかセリフがない時の表情が、これまでのどの作品にもなかった感じがして新鮮ですね。人気俳優、有名俳優の演技を見続けていると、いい意味でも悪い意味でも《あのドラマの時の演技に似ている》と感じることはあるのですが、『アンメット』ではそれがない。杉咲さんの役者としての“魅力”を引き出しているのが若葉さんなのかな、と思ったりします。この2人の新たな共演作も見たくなりますね」(スポーツ紙芸能担当デスク)


 今のところ新鮮味と存在感では、若葉竜也が一歩抜け出したか。