元放送作家で「テレビ考察系ユーチューバー」の長谷川良品氏の問題提起が話題だ。問題視したのは、栃木、長野、群馬、福島の各県で4月下旬から強盗事件が相次いでいること。

狙われたのは山あいの民家ばかりで、強盗団の男たちが押し入り、テープで住人を縛るなどした上で現金を奪うという手口。「カネ、カネ」などと連呼する日本語に不慣れな様子だったことから、外国人の可能性が高い。


 長谷川氏は「山あいの『ポツンと一軒家』を狙った連続強盗。テレビ朝日系の同番組で紹介された民家が狙われたわけではないが」としつつ、こう警鐘を鳴らした。


「この時代に自宅はもちろん生活スタイルまでテレビで公開することにはリスクが伴う。見方を変えるとホラーだ」


 日本は平和で、治安の良い国として世界的には知られている。

しかし高齢者らを狙った振り込め詐欺や、電力会社などを詐称したメールなどでクレジットカード番号など個人情報を盗むフィッシング詐欺が横行する昨今、いつ何がどう、悪用されるかも分からない世の中だ。


「テレビ番組が個人のプライバシーを扱うようなとき、強盗や窃盗団などのリスクをどれだけ考えているかというと、ナゾですね。数字(視聴率)至上主義で、それをどう取るか、あとはコンプラを意識し、スポンサーの機嫌を損ねないようにすることくらいですから」


 そう、テレビなどで仕事をする業界関係者は言う。となると、著名人の豪邸にカメラを向ける企画、代々伝わる「お宝」を紹介しその価値を問う番組、大家族の成長や生活を追いかけていくドキュメンタリーなども、見直しが必要ということか。


 長くテレビ番組の制作に携わる某放送作家はこう言う。


「長谷川氏のように危惧をし警鐘を鳴らした方の心配もわからないではありません。

ただ、飛行機には墜落事故の危険があり、大事故につながる可能性が高いといって、飛行機をつくった人が悪いという論調に近いようにも聞こえます。今回でいえば、悪いのは強盗団です。特定の番組にその責任の一端があるようなニュアンスで報じたりするのはどうかと思います」


 これは、現在問題視されているカスハラにも近いということか。賛否両論あるが、安全や防犯意識がことさら必要になっている世の中ということは言えるかもしれない。