「トランプ暗殺」に、アメリカが大騒ぎになっている。


 国土安保省のノーム長官は15日、FBIのコミー元長官が「トランプ大統領の暗殺を呼びかけた」として、捜査に乗り出したと明らかにした。

SNSを通じ「安保省と大統領警護隊が捜査している。適切に対応する」と表明した。


 容疑をかけられているコミー氏は、砂の上に貝殻を並べて「8647」の数字を表現した写真をインスタグラムに投稿。数字の「86」は、英語のスラングで「処分」や「排除」を意味し、「47」は第47代大統領のトランプを指していると解釈されている。コミー氏は、トランプの大統領1期目就任後、すぐに対立し、間もなく解任されている。


 問題の投稿についてコミー氏は、「きょう、ビーチを散歩中に見かけた貝殻の写真を投稿した。きっと政治的メッセージだと思った」としたうえで、「この数字が暴力と結び付けられるとは思わなかった。いかなる暴力にも反対するため、投稿を削除した」と釈明している。


 しかし、FBIの長官までやった人物が、「8647」の隠語を知らなかったのだろうか。


「8647」の投稿が大ゴトになっているのは、トランプ大統領は過去、何度となく命を狙われているからだ。大統領選中には、2度も暗殺未遂に直面し、一度は耳を負傷している。その後も、しばしば殺害予告を受けている。


 反トランプが「投稿」に刺激される可能性はあるのか。元外務省国際情報局長の孫崎享氏はこう言う。


「投稿したコミー元FBI長官は『暴力と結び付けられるとは思わなかった』と釈明していますが、読み手側は『トランプを殺せ』というシグナルだと受け取ったはずです。いわゆる『犬笛』です。リベラル勢力だけでなく、たとえば戦争が続く方が都合がいいと考える勢力にとっても、ウクライナ戦争を終結させようとしているトランプ大統領は邪魔な存在でしょう」


 アメリカ大統領の警護は厳重だ。その隙をつくことはありえるのだろうか。


「大統領選の時に起きた2回目の暗殺未遂は、ゴルフ場が現場でした。容疑者はゴルフ場に隠れていた。その日、そのゴルフ場でトランプ大統領がプレーすると誰から聞いたのか。トランプ周辺や警護から聞いた可能性はないのか。情報が漏れれば、暗殺を防ぐのも難しくなるでしょう」(孫崎享氏)


 米ネットワーク感染研究所の調査によると、左派に属するアメリカ人の55%が「トランプ暗殺は受け入れられる」と回答したというから深刻だ。


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