【春ドラマ「女優進出組」の実力大分析】#5


 佐々木舞香(アイドル・声優)
  日曜劇場「キャスター」
  報道フロアの学生アルバイト・戸山紗矢役


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 今期の日曜劇場「キャスター」(TBS系日曜21時)に、阿部寛が演じる主人公がメインキャスターを務める「ニュースゲート」の報道フロアの学生アルバイト役で出演しているのは、指原莉乃がプロデュースする「=LOVE」所属の現役アイドル・佐々木舞香。


 なにわ男子の道枝駿佑主演によるラブコメディー仕立てのスピンオフドラマ「恋するキャスター」(U-NEXT)ではヒロインとして活躍している。


 彼女が所属する=LOVEは女性支持が高い。先日、国立代々木競技場第1体育館で行われた春のライブツアーのファイナル公演当日には原宿駅周辺に、リュックにメンバーの缶バッジをたくさん付けた多くの女性ファンの姿が見られた。


 佐々木舞香は、知的な魅力(バラエティーではコメント力の高さも見せる)も女性支持の要因になっている。その魅力が「キャスター」での役柄でも発揮されていて、まっすぐなまなざしが印象的だ。


 今回のドラマはヒロインの総合演出役・永野芽郁を除くと、宝塚歌劇団出身の月城かなと(サブキャスター役)、宮澤エマ(編集長役)、菊池亜希子(社会部記者役)と主要な番組女性スタッフ役はいずれも30代以上で落ち着いていて、佐々木はフレッシュな色を加える貴重な存在として作用している。


 2000年1月21日生まれ、愛知県出身。17年に結成された=LOVEのメンバーに参加。23年にはミュージカル「東京リベンジャーズ」でヒロインを演じた。


 昔は演技が苦手なアイドルも少なくなかった。だが、2000年代生まれ以降は、演技の世界に飛び込んですぐに実力を発揮するアイドルが増えている。


「演技がものすごく下手」という若手が減ったのは、子どもの頃からホームビデオやスマホのカメラに向かって自然に動くことに慣れていた、いわゆる“ムービーネーティブ世代”なので、カメラの前で緊張しないからだという説がある。


 佐々木舞香も初期から演技力が高いメンバーとして注目されていた。

声優育成学校の代々木アニメーション学院が手がける=LOVEのメンバーである彼女は、デビュー当時は声優の仕事で演技経験を積み、ドラマに出演するようになってからは、作品を重ねるごとに演技の説得力が増してきている。


 スピンオフのヒロインだけでなく、本編でも可憐にヒロインを演じる日は、そう遠くないだろう。


(高倉文紀/女優・男優評論家)


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