参院選(20日投開票)の序盤情勢を巡り報道各社が先週末に実施した調査で、参政党がブキミな存在感を示している。調査結果を受け「参政は議席増」「参政勢い」「参政伸長」といった見出しで報じているのだ。

この党勢急拡大を受け、選挙戦の様相は激変。特に「風」に左右されやすい首都圏4選挙区で、普通なら盤石な既存政党の候補が、一気に落選危機にさらされている。


 日刊ゲンダイが政党や報道機関の情勢調査などを基に分析したところ、参政党の影響が最も色濃く出ているのが東京(改選数6+1)だ。もともと「自公共立」が上位4議席を占め、残る3議席を自民2人目と立憲2人目、国民民主の2人、れいわ、維新の6候補で争う展開が予想されていた。ところが、参政の女性歌手・さや氏が急浮上。「もはや当確」(野党幹部)という見方もある。


 そのあおりで、自民2人目の武見敬三前厚労相が「当選圏外にはじき出される恐れがある」(自民関係者)。保守的な主張を展開するさや氏は自民票を食うことが予想されるからだ。一方、反自民の保守層の受け皿と見られてきた国民民主が票を奪われることも考えられる。


「さやさんが5位につけ、武見さんと立憲2人目の奥村政佳さんが滑り込み、国民民主の元NHKアナウンサーの牛田茉友さんと元KDDI社員の奥村祥大さんが共倒れする展開もある。票が分散して2人とも当選ラインに届かないパターンです」(官邸事情通)



千葉、神奈川、埼玉でも…

 千葉(改選数3)でも異変の兆しだ。立憲と自民1人目が手堅く、残る1議席を国民民主の元NHK記者・小林さやか氏と自民2人目の豊田俊郎氏が争う構図が想定されていたが、参政の中谷めぐ氏が急伸。

豊田氏を抜き去り、小林氏と3位争いをしているのだ。


「参政は今週から党本部のスタッフを千葉の現場に投入。テコ入れを図り、小林さんの票をはぎ取る算段を整えつつある。疲れが見え始めた小林さんを一気にまくるつもりだ」(県政関係者)


 神奈川(改選数4)と埼玉(改選数4)では、共に公明候補がピンチだ。参政候補の急上昇で神奈川の佐々木さやか氏、埼玉の矢倉克夫氏が当選圏外にはじかれつつある状況だ。7日の公明新聞1面には、佐々木氏と矢倉氏の“鬼の形相”の写真がデカデカと掲載されている。「猛追するも圏外」との見出しで「参政新が急速に支持を伸ばし、圏内入り」などと記載。明らかに参政を警戒している。


 参政の異様な進撃はいつまで続くのか。 


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 参政党の神谷宗幣代表は第一声で失言をかましたが、キャッチコピー「日本人ファースト」に支持者は熱狂だ。どこまで支持を広げるか。●関連記事【もっと読む】『参政党あるのか参院選での“地滑り的勝利”…神谷代表が第一声で失言も、2ケタ議席視野に?』で詳報している。


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