20日に投開票された参院選選挙。テレビ各局が選挙特番を放送したが、ここにも異変が起きていた。

これまで"池上無双"として呼ばれ、選挙特番のあり方を変えて来たジャーナリストの池上彰氏(74)が地上波出演せず、YouTubeチャンネル「公式 池上彰と増田ユリヤのYouTube学園」で選挙解説の生配信を行ったからだ。昨年の衆院選も米大統領選の取材のため、池上氏は選挙特番に出演していない。


 池上氏は、17日に同チャンネルで『池上彰、テレビの選挙特番に出ません。なぜなら…《参院選2025》』と題した動画を公開し、「選挙特番って、私がやる前ってなんとなくただこう当選者が出ると『当選おめでとうございます。今のお気持ちは?』って本当にぬるかったわけですよね。もっとちゃんと切り込めよっていう思いがあって、いろんなやり方をやってきた。そしたらみんな各局が真似してきたわけですよね。とりあえず私のテレビでの仕事は一段落かなって思った」と明かした。


 さらに「これからはYouTubeだって思ったんです。例えば選挙特番の裏話であるとか、デマがネットで広がってますよね。それはデマなんだよってことをひとつひとつ解説していくとか。テレビでいろんなことをやってるけど、それに対してツッコミを入れるとかですね。

この質問ぬるいな、もっとここ突っ込めよとか」とも語っていた。これにはテレビとの"決別"宣言と捉えるファンもいて、コメント欄にも期待が集まっていた。


■YouTubeからテレビ報道にツッコミを


「池上氏は近年、テレビ東京の『総選挙ライブ』で生中継で政党幹部やタレント候補などに鋭いツッコミを入れて、話題を作ってきました。今回はYouTubeに場所を移して当日生解説をし、テレビの選挙報道をモニタリングしツッコミを入れるあたり、解説そのものを諦めたのではなく、テレビでの発言の限界を感じたのだとみられています。もともとNHKのOBたちの間では取材力というよりはキャスター向きのタイプともいわれていますから……。その喋りが人気の一方、最近はテレビ向きの語りや解説も多く、視聴者から説得力に疑問の声も上がっていました。その点、YouTubeなら本音で意見し解説できるメリットはあるでしょう」(週刊誌記者)


 今回の特番は、報道局中心に展開したテレビ朝日とテレビ東京に対し、日本テレビはメインキャスター櫻井翔、TBSはスペシャルキャスターに爆笑問題の太田光、フジテレビもメインキャスターに宮根誠司とゲストに弁護士の橋下徹氏など中心にタレントを据えた局に分かれた。選挙戦略もネットにシフトされた現在、特番も視聴率では測れないが池上氏のYouTube転身は功とでたのか。


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