自民党が歴史的大敗を喫する中、しぶとく生き残った。今回の参院選では旧安倍派の「裏金候補」15人が有権者の審判を受けた。

開票結果はナント、10勝5敗の勝ち越し【別表】。選挙区に限れば8割の高勝率だ。


 選挙区の10人のうち、公明党が推薦を出したのは石川の宮本、京都の西田、奈良の堀井の3氏のみ。福島の森氏も「強力なる心情的支援」にとどまり、苦戦を強いられた。


 森氏の応援には石破首相、小泉進次郎農相のほか、中盤には東京都の小池百合子知事も駆けつけた。会場となった伊達市内の医院の駐車場は小池知事見たさに黒山の人だかりだったという。「けど、小池さんが『“妹”森雅子を国会へ送り出してほしい』と訴え終わると、聴衆の半分以上が、その後の森さんの演説を聞かずに帰ってしまった」(地元関係者)


 それでも森氏は立憲新人との接戦を約1万9000票差で制し、4選を果たした。「最後は知名度の差。参政党候補に政権批判票を奪われた一方、終盤に参政が失速し、保守票が自民側に戻ったのも痛かった」とは、立憲県連関係者の分析だ。



西田昌司氏は終盤「助けて!」と絶叫し泣き落とし

 西田氏は改選数2の京都で2位に17万票差をつけた6年前の圧勝が一転、今回は逆風が吹き荒れた。


「『ひめゆりの塔』に関する妄言に加え、京都府連での評判も悪い。今年5月まで6年間の会長時代の強権発動に嫌気を差す地方議員も多く、今回は動きが鈍かった」(自民党京都府連関係者)


 終盤に西田氏は「必勝」鉢巻き姿で舌禍のおわびを繰り返し、「助けてください!」と絶叫して泣き落とし。

野党乱立もあって辛くも2番手で4選。3位とは約2万6000票差だったが、当選確定後は早速、石破首相の続投宣言に「意味不明だ」とカミついた。


 一方、比例代表はJOC新会長の橋本氏と日本看護連盟の組織内候補の石田氏が当選。「歩くヘイト」の杉田氏は、日刊ゲンダイ編集局の固定電話にまで投票依頼のオートコールをかけてきたが、あえなく落選した。


 昨年の衆院選では、旧二階派を含めた裏金候補46人のうち、実に6割の28人が落選した。今回の選挙期間中は「給付か減税か」の物価高対策、参政党の外国人排斥への賛否などに目を奪われ、「政治とカネ」が薄らいでしまった感はある。


 当選した裏金候補は「みそぎが済んだ」と思ったら大間違いだ。


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