「Make America Hot Again」(米国を再びホットに)──。こんな言葉をご存じだろうか。

トランプ米大統領の熱烈な支持層「MAGA」(米国を再び偉大に)はお馴染みだが、「MAHA」とは聞きなれない。一体、何なのか。


 先週21日、米ニューヨーク市マンハッタンで開催されたパーティー。そのタイトルこそが「米国を再びホットに」だった。全米屈指のリベラル都市として知られるニューヨークで肩身の狭い思いをしている保守派の男女が集い、出会いを探す目的で開かれた。


 このパーティーを報じたFOXニュースの司会者ローラ・イングラムは自身のSNSに、〈若い保守派がリベラルな都市で愛を見つけるのは簡単ではない〉〈ドレスコードは、MAGAの仲間、優秀な遺伝子、親アメリカの意識だった〉と投稿。参加した女性はFOXの取材に、「親アメリカで男性的な人を探しに来た」と答えていた。


 冗談のようだが、パーティーのテーマは「保守派は優秀な遺伝子を持っている」だ。米ニューズウィーク(22日付)によると、参加費は1人44ドル(約6500円)。20代半ばから40代前半までの男性を中心に70人以上が参加したといい、赤色ではなく黒色のいわゆる「ダークMAGA」帽をかぶった人や、米国旗の配色である赤・白・青の地にトランプの顔が印刷されたアロハシャツを着た人もいたという。要するに、ゴリゴリのMAGA派による恋活の場だ。


 ニューズウィークは複数の参加者の声として、〈「卵の殻の上を歩く」ような思いも、「自己検閲」するプレッシャーにさらされることもなく、安心感がある〉と紹介。

〈多くの参加者にとって、このパーティーの魅力は政策論議ではなく「共通の価値観を前提に出会える」という安心感だ〉と指摘した。


 問題は、純度の高いMAGA同士で集まり、「優秀な遺伝子」というムキ出しの優生思想を隠そうともしないこと。日本も他人事ではない。


「LGBTはいらない」「発達障害は存在しない」「日本人ファースト」……。「トランプから学んだ」と公言してはばからない参政党の神谷代表の主張である。そのうち仲間内で恋活パーティーを開いても驚きはない。


編集部おすすめ