日本人女性3人組のメタルダンスユニット「BABYMETAL」を巡り、音楽評論家で作詞家の湯川れい子氏(89)のXでの発言が物議を醸している。
湯川氏は、《あんなまがい物によって日本が評価されるなら世も末だと思います》という音楽評論家ピーター・バラカン氏による過去の発言(すでに削除済み)を引用し、それに同調するようにBABYMETALについて次のように投稿したのだった。
《BABYMETALが好き、と公表している私にも、ピーター・バラカンさんの意見は良く分かります》
自らファンであると公言している湯川氏は、BABYMETALについてこう指摘したのだ。
《人形浄瑠璃のように、3人のメンバーの後ろで音を出しているのは、姿を隠している男のミュージシャン達です。では彼女達は何かと言ったら、綺麗、可愛い、振りが上手い。私はまるで卑弥呼のような、彼女達の強烈な美しさと若さに惹かれて、それを評価している1人です。でも、それって決して音楽的な実力でも、魅力でもありませんよね。実にジェンダー的な、水商売的な評価だとも言えるでしょう》
多くのベビメタファンが湯川氏の“水商売的な評価”という言葉に反応し、炎上したのだった。
■レジェンドを知らない若者が反発の構図
「湯川さんはその後、“水商売的”という言葉について反省の弁を述べつつ、『広義では人気商売を指す言葉ですから、決して差別的な発言だとは思っておりません。私も、いわば水商売のひとりです』とコメントしています。しかし、収まらないファンからは、《こういう意見はいらない》《音楽性についてはそもそもそういうものだと思って応援している部分もあるから、すごく的外れな意見》という声があがっています」(スポーツ紙記者)
湯川氏といえば、1950年代から活躍し、現在も日本作詩家協会会長、日本音楽著作権協会 (JASRAC) 理事を務める業界の大御所。熱烈なファンであるエルヴィス・プレスリーやビートルズなどと多くの逸話を持つレジェンドで、アン・ルイス「あゝ無情」「六本木心中」、稲垣潤一「雨のリグレット」、沢田研二「AMAPOLA(訳詞)」など、有名アーティストの楽曲の作詞を数多く担当したことでも知られている。
「仲間だと思っていた大御所からの否定的な発言に傷ついたのか、ベビメタファンからは既成概念丸出しの評価しかできない頭が硬直化した老害による発言という声も聞かれますが、往年のファンは湯川さんの実績を知らない若いファンを批判する声もあります」(芸能ライター)
さらに火に油を注いだのが、湯川氏の意見にミュージシャンで音楽プロデューサーの近田春夫氏(74)で、「全く湯川さんと同じ意見です」と同調したことで論争はさらにエスカレート。湯川氏、近田氏の意見は時代錯誤なのか。
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