「ポスト石破」を決める自民党総裁選(4日)は最終盤に向かって混沌としてきた。本命視される小泉進次郎農相(44)が失速。

対抗の高市早苗前経済安保相(64)とデッドヒートを繰り広げている。「進次郎構文」を炸裂させて後退した1年前のシクジリを糧に、慎重発言に徹してきたものの、陣営をめぐる文春砲を2発も被弾。いずれも不正選挙疑惑だ。1年前と同じ轍を踏みそうな気配が漂う。


 投開票まで残り3日となった1日、進次郎氏はASEANと日中韓による農相会合に出席するため、成田空港を発ち、フィリピン・マニラへと飛び立った。外遊日程は2日間。党総裁選挙管理委員会がセットしたきょうの公式日程はすべてパスし、大阪市の演説会、ネット番組「アベマプライム」は演説動画などで対応するもようだ。党内から「とってつけたように公務と言い出した」(党幹部)と冷ややかな声が上がるのは、文春砲から「逃げた」と見られているためだ。


 進次郎氏は1日午前、「2025年9月30日夜配信の週刊文春オンラインの報道について」と題した文書を発出。記事の詳細には触れず、〈事実に反する内容を印象付けるもので、自民党総裁選に不当な影響を与えかねない記事であり極めて遺憾です〉などと主張し、抗議するとした。石破首相が退陣を表明する10日前に仲間内で決起集会を開いたり、会長を務める神奈川県連が高市に前回投票した党員らの資格を恣意的に抹消した疑惑を否定した格好だ。


「進次郎陣営は国会議員だけでも100人ほどの大所帯。

広報班長辞任に追い込まれた牧島かれん元デジタル相が主導したステマ問題が文春に報じられたのは、内部リークの可能性が否定できない。裏切り者は誰か。疑心暗鬼が広がっている。党員投票の締め切りは事実上終了したので、影響は未知数ですが」(自民関係者)


 党員の投票締め切りは3日だが、各都道府県連は1日午前中に投票ハガキの投函を済ませるよう呼びかけてきた。


 日本テレビによる党員・党友と国会議員の動向調査(1日)によると、進次郎氏と高市氏は僅差。党員・党友票は高市氏がリードを守っているが、党内随一の人寄せパンダが逃げ切るか。投票箱のフタが閉まるまで分からなくなってきた。


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 進次郎氏の自民党総裁選での不正疑惑2連発については、関連記事【もっと読む】【さらに読む】などで詳しく報じている。


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