【その他の写真:フィリピン・パンパンガ イメージ】
現地主要メディアの報道を総合すると、5月31日夕方までに現場の「第2区画」などから新たに4体の遺体が搬出され、死者数は2桁に達した。新たに収容された遺体には身元を特定できる所持品がなく、うち1体は女性とみられる。現場周辺からはワクチン接種カードなどの遺留品も見つかっており、市保健当局は災害犠牲者身元確認(DVI)プロトコルに基づき、DNA鑑定や歯型による特定を急いでいる。これまでに死亡が確認されたのは、日雇いの建設作業員の親子(51歳と26歳)や、隣接する宿泊施設に滞在中に巻き込まれたマレーシア人観光客(65)ら。いまだ10名前後が行方不明リストに残されている。
惨劇の全容が明らかになるにつれ、行政の「身内」への責任追及が急速に進展している。アンヘレス市政府が設置した事実調査タスクフォースの勧告に基づき、1日から現場の監督責任を負う市建築局の最高責任者ノーバート・ラグマン建築官と、マルロン・リンガット構造エンジニアの2名に対し、調査への干渉を防ぐための60日間の予防的停職処分が正式に発効した。
さらに、中央政府の労働雇用省(DOLE)も強硬措置に踏み切った。同省のフランシス・トレンティーノ代行大臣は、同現場に対して2025年9月に出されていた「作業停止命令」が、その後どのような経緯で不透明に解除され、違法な10階部分(屋上プール)の増築に至ったのかを究明するため、中央ルソン地方(リージョン3)のジェラルディン・パンリリオ局長を1ヶ月間の停職処分(更迭)とした。大統領府からの強い圧力を背景に、地方行政の汚職構造へ直接切り込む異例の展開となっている。
現場では依然として各階のコンクリート床が垂直に潰れて重なり合う「パンケーキ崩壊」の惨状が続いており、撤去の進捗率はわずか5%程度にとどまっている。昨晩から未明にかけても激しい雷雨に見舞われ、がれきの安定性が極めて悪く、二次崩落の危険と隣り合わせの過酷な夜間捜索が続いた。
許可を超えた無届けのプール増築という強欲な人災と、それを黙認してきた行政の腐敗体質。外国人観光客をも巻き込んだこの未曾有の悲劇は、外資誘致と建設ラッシュに沸くフィリピン社会に対し、富の再分配と安全インフラ整備をなおざりにしてきたツケを冷酷に突きつけている。
【編集:Eula】








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