2020年2月29日、全世界でマスクが不足している。どこのマスク工場もフル生産で稼働しているが、生産が供給に追いつかない。
日本では家電メーカーのシャープも、三重県多気町の液晶パネル製造工場でマスクを作り始める。

その他の写真:韓国のイメージ

 かなり昔になるが工場のオープニングセレモニーには、町田勝彦社長(当時)も列席して、宇治山田駅前の老舗割烹「大喜」の美味しい鰻弁当が振舞われた。当時は、うなぎ上りに液晶事業が成長するとおもわれたが、シャープがマスクの生産メーカーになるとは、誰も予想できなかった。空気清浄機での評判が高いシャープならではの、高性能なマスクの登場が期待できる。

 また、手先が効く人間は、ハンカチや端切れでマスクを作り始めた。ただ、マスクにこの新型コロナウィルスから人間を守り切れるかと言うと、正直未知数だ。


 韓国では、政府が音頭を取って毎日350万枚を供給すると発表した。当初は、2020年2月27日からの予定だった。しかし、27日当日完全な供給までは1日2日ほど時間を要すると前言を翻した。当日の販売を楽しみにして、危険な空気の中薬局や郵便局に並んだ市民は、無駄足だった。

 郵便局で、マスクを販売しているところが、韓国的と言うか、不思議なところだ。

 28日から120万枚が全国の薬局を通じて発売され、このうち23万枚は、大邱や慶北地域に優先的に局給されると、追って政府発表があったが、29日現在その実態はない。


 現実に営業している薬局の方が冷静な見方をしている。「政府が問屋を指定して供給すると発表したが、3月にしか落ち着かないのではないか」「値段も入荷しないとわからない」。

 農協も販売先の一つだ。ソウルと京畿を除いた地域の農協の店舗1900カ所の店舗1店当たり300枚づつ、55万枚を供給するとしていた。農協側は「目標量の50万枚が全量入荷しておらず、17万4千枚が確保された」としている。

 郵便局1400ヵ所にも一軒づつ400枚、合計55万枚供給の予定。


 韓国の副首相は「公的物量の販売価格は市中価格より安く策定されている」とし、「本当に消費者が変える状態にあるか、公務員たちが現場で点検する」としている。

 街には有力者、顔役がいる。そちらに優先的に流れることはないとは言えない。公務員もこの有力者に入るだろう。
【編集:RO】