2023年7月12日、北朝鮮は、新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星砲―18」型の試射を行ったと、朝鮮中央通信が7月13日に報じた。同国最高指導者の金正恩氏が現地で指導したという。
同国は米国とその同盟国に対する核戦争抑止力強化を目的としており、米国への対抗姿勢を強調した。

その他の写真:朝鮮中央通信日本語版WEBサイトから

 同通信によると、試射は党中央軍事委員会の戦略的判断と重大決心に従って行われた。周辺国家の安全と領内飛行中の多段分離の安全性を考慮して、1段は標準弾道飛行方式に、2段と3段はロフテッド飛行方式に設定し、最大射程体制での兵器システムの各系統別技術的特性を実証する方法で行ったという。

 発射されたミサイルは、最大頂点高度6648.4キロまで上昇し、距離1001.2キロを4491秒飛行して朝鮮東海の公海上の目標水域に正確に着弾した。試射を通じて確証を得た全ての新記録は、新型戦略兵器システムの能力と信頼性、軍事的効用性の証左となり、同国核戦略武力の信頼性に対する疑う余地もない検証となると主張した。

 金正恩氏は試射結果に満足し、「敵対勢力によって朝鮮半島の安全環境が刻一刻、重大に脅かされている不安定な現情勢は第8回党大会が打ち出した核戦争抑止力強化路線の貫徹に一層度合い強く邁進、奮闘することを求めている」と述べた。
また、「米帝と南朝鮮のかいらい逆徒が無駄な反朝鮮敵視政策の恥ずべき敗北を絶望の中で自認して断念する時まで、より強力な軍事的攻撃を連続的にかけていく」と再三確言した。

 同国は今年4月、米国と日本、韓国の「3者核同盟」を非難し、米国の核戦略資産の朝鮮半島周辺への出没や南朝鮮への核兵器再搬入を挑発行為と批判していた。今回の試射は、米国との対話が停滞している中で、同国が核戦力を高度化する方針を示したものとみられる。
【編集:FA】