■クレジットカード不正利用の主な手法
クレジットカードにおける不正利用の被害金額は年々増加しているという。一般社団法人日本クレジット協会の調査によると、2022年の被害額は約437億円、前年比で約3割増だ。そのうちの94%が、以下に挙げる三つの手口を含む、カード番号の盗用による被害なのだそう。
「一つ目はフィッシング詐欺です。カード会社や金融機関、ネットショップになりすましたメールやSMSを無差別に送信し、偽サイトへ誘導します。そこでカード情報や個人情報を入力させ入手する手法です」(三井住友カード株式会社)
身に覚えのないメールやSMSが届き、不審に思った経験がある人もいるのでは。
「二つ目は加盟店への不正アクセスです。加盟店の決済情報や個人情報を管理しているサーバが不正アクセスの被害を受け、カード情報などが不正入手されます。三つ目は『クレジットマスター』といわれる手法です。
個人だけではなく、加盟店への犯行や、カードの規則性を悪用したものもあるとは驚きだ。今後被害に遭わないためにも覚えておきたい。
■不正利用かどうか確かめる三つのポイント
クレジットカードの利用明細に、身に覚えがないものが……。すぐに詐欺と疑うべきだろうか。
「利用した日付やお店に見覚えがなかったとしても、家族が自身の知らないところでカードを利用していることがあります。
まずは冷静に、考えられるケースを確かめてみることが大切だ。
店舗の名称だけではなく、日付に覚えがなくても不正利用を疑うのはまだ早いという。
「利用した日付が実際の購入日と異なっている場合もあります。
「家族が使っている」、「利用した店舗名と請求会社の名称が違うことがある」、「購入日よりも遅れて請求されることがある」、これらのポイントに気をつけて、利用明細を確認しよう。それでも不審な点がある場合は、対処が必要だ。
■不正利用されたらどうすればよい?
気をつけていても、不正利用されてしまうケースもあるだろう。その場合、どのような手続きをすればよいのだろうか。
「不正利用されたと思ったら、すぐにカード会社にお問い合わせください。無効化の手続きと、新しいカードの再発行手続きを行います」(三井住友カード株式会社)
不正利用されてしまった金額が戻ってくるのかも気になるところだ。
「日頃からカードを正しく使っていれば、不正利用された金額は原則として全額保証されます。お問い合わせの際に確認しましょう」(三井住友カード株式会社)
金額が補償されるとわかっていれば、万が一被害に遭ってしまった場合にも冷静に対処できそうだ。不審なサイトでカード番号や個人情報を入力しないことも、被害を未然に防ぐことに繋がるという。最近では、カード利用時にプッシュ通知でお知らせしてくれるアプリを提供しているカード会社もあるとか。被害に遭わないために、日頃できるところから気をつけていきたい。
●専門家プロフィール:三井住友カード株式会社セキュリティ担当者
会員の皆様に「安心・安全」にご利用いただくため、三井住友カード会員向け『Vpassアプリ』にてご利用通知サービス、あんしん利用制限サービスなど、使いすぎや不正利用の不安を解消する機能を提供中。
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教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)