学生が使う定番のノートといえば、コクヨ株式会社(以下、コクヨ)の『キャンパスノート』。
コンビニエンスストアでも、必ずといっていいほど見かける人気の商品ですよね。
『キャンパスノート』には、暖色系のノートと寒色系のノートがあります。
この2系統のノートは授業の科目ごとに、どう使い分けている人が多いのでしょうか。販売元であるコクヨに聞きました。

画像提供:コクヨ株式会社
国語は暖色系の赤いノート!寒色系は…
コクヨが実施したアンケート調査では『キャンパスノートの授業科目による使い分け』について、赤などの暖色系ノート、青などの寒色系ノートで明確な差異が見られました。

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コクヨは以下のように分析しています。
「国語は91%で赤・ピンク系、数学は96%で青系、社会は73%で黄色系、理科は80%で緑系を選ぶ」との回答がありました。
英語は43%で紫系を選び、そのほか20%ほどずつ赤ピンク系と黄色系が選ばれています。
文系科目は暖色系、理系科目は寒色系といった「なんとなくのイメージで色を選んでいる」という回答が大多数を占めていました。
しかし、「小学生や中学生の頃の教科書の配色が、上記のようなカラーリングであったから」という回答もあり、弊社では「深層心理で教科書の色が影響を与えているのではないか…」と考察しております。
授業科目によって暖色系ノート、寒色系ノートが明確に使い分けられているというのは面白い結果ですね。
SNSでも使い分けについて、「青は絶対に数学!」「赤が国語は譲れない」「紫は消去法かも」などの声が上がっていました。
『キャンパスノート』の色分けの意図
では、『キャンパスノート』の開発段階で、色分けについて何か意図はあったのでしょうか。
弊社では、色分けなどについて想定をしているというよりは、ユーザーのみなさまの使い勝手やモチベーションに合わせて、自由に選んでいただけるよう、さまざまなカラーラインアップやデザインの『キャンパスノート』を取りそろえております。
暖色系、寒色系といった『キャンパスノート』の色が決まった経緯ついても聞きました。
なぜ、赤系や青系なのか明確な記録は残っていないのですが、過去に弊社で取り扱っていたノートでは『A罫ノートを暖色』『B罫ノートを寒色』にしていたようです。
そうした色分けを初代の『Campus』でも引き継ぎ、やがて定着しました。
地味な色が多かったノートの中で、オレンジや水色の色味は当時の市場では目新しく写り、学生の反響もあったと聞いています。
ちなみに、A罫(えーけい)とは7mm間隔で横に引かれた罫線のことで、B罫(びーけい)は6mm間隔で横に引かれた罫線のこと。
『キャンパスノート』の先代から、すでに色分けがされていたのですね。
東大生のノートを参考に開発した『キャンパスノート』
『キャンパスノート』のシリーズに、罫線に小さなドットをあしらったノートがあるのをご存じでしょうか。

画像提供:コクヨ株式会社
これは『キャンパスドット入り罫線ノート』という商品で、「東大生のノートを参考に開発した」といいます。
罫線に小さな『ドット』をあしらったノートです。ドットにより文頭をそろえたり、グラフや図表などを書きやすくしたりと『美しく書く』ことをサポートします。
東大合格生のノートと、過去に集めた100人の高校生のノートを比較し、「東大生の整理されたノートをどうすれば再現できるか」を徹底的に研究しました。
当時はパソコンの普及などでノート販売が落ち込んでいましたが、『キャンパスドット入り罫線ノート』は発売後すぐに話題になり、ノート全体の売り上げを押し上げていました。

画像提供:コクヨ株式会社
狙いどおり東大生に人気のノートとなり、コクヨの調査では「東大生の約85%が使っていた」という結果が出ています。

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最後に、コクヨに開発者としての感想や思いを聞いたところ、このような回答がありました。
『キャンパスノート』は、発売から50年もの間、品質の向上やお客さまのニーズなど、その時々の課題を反映し、進化させてきました。
『キャンパスノート』の品質やニーズに合わせた多種多様なラインアップを取りそろえたブランドとして、多くのお客様からの信頼を寄せていただき、発売以来、多くの人に支持され続けていると感じています。
今後も進化し続けるブランドとして、お客様の声を聴いて商品開発に生かしてまいります。
すっかり定番として定着している『キャンパスノート』。あなたはどのように『キャンパスノート』を使い分けていますか。
[文/高橋モータース@dcp・構成/grape編集部]
取材協力コクヨ株式会社