2014年と2015年に放送し、大ヒットした池井戸潤原作の人気ドラマ「花咲舞が黙ってない」。今年4月からは今田美桜を主人公に迎え、新シリーズがスタートした。
⒞翔田寛/小学館 ⒞2018 WOWOW INC.
テレビに舞台と広く活躍してきた上川。代表作と言えば、2011年からのドラマ「遺留捜査」が挙げられるだろう。2022年に第7シーズンを放送し、昨年はファン待望の新作スペシャルで帰ってきたシリーズは、根強い人気を誇る。上川は鋭い鑑識眼を持つが、超マイペースで空気を読まない不思議な刑事・糸村を好演してきた。
平成20年、静岡県の国道高架下で殺人事件が発生。静岡県警富士裾野署の刑事・日下は、殺された須藤が昭和49年当時に幼い息子を誘拐殺人事件で亡くしていたことを知る。この事件は時効成立の1年前となる昭和63年に特別捜査班が編成され、ノンキャリアながら警視にまで昇進した重藤を中心に再捜査が行なわれていた。
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上川は、主人公・重藤成一郎を演じた。誘拐事件が起きた昭和49年では所轄勤務の若き刑事として捜査に加わり、時効1年前の昭和63年では特別捜査班の管理官として再捜査を指揮する。叩き上げで警視まで昇進した重藤だが、失敗すれば責任を取らされる。キャリア組に背負わせるわけにはいかない損な人事であることは、承知の上だ。誘拐された子供を殺された上に犯人を逃してしまった後悔と十字架を背負い、現場に臨む。
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また、物語の始まりである平成20年の殺人事件の真相解明に奮闘する刑事・日下悟は、小泉孝太郎が演じた。小泉も上川同様、2003年の大ヒット映画「踊る大捜査線 レインボーブリッジを封鎖せよ!」をはじめ、刑事役を多数演じてきた。今作で演じるのは、代表作の一つである「警視庁ゼロ係」シリーズでのコミカルなキャラクターとは全く真逆の役柄。日下は現代を生きる男ながら、どこか昭和感が漂う。持ち前の実直さで粘り強く捜査を続ける刑事もまた、小泉のハマり役だ。強い熱量を胸に事件と向き合う言葉には、心からの思いが乗る。
昭和と平成、それぞれの時代で真相解明のため奮闘した刑事たちと事件に翻弄される遺族の姿が描き出された本作。静岡県警本部長役の高嶋政伸や誘拐事件の被害者の姉を演じた内田有紀の他、でんでん、甲本雅裕、田中要次ら再捜査にあたる刑事にも実力派が揃った。彼らが織り成す重厚で骨太なストーリーと、上川と小泉の時を超えたバディ感も見どころの一つだ。
文=中川菜都美
放送情報【スカパー!】
連続ドラマW 真犯人
放送日時:5月2日(木)14:15~
放送チャンネル:WOWOWプラス 映画・ドラマ・スポーツ・音楽
※放送スケジュールは変更になる場合があります