ピックアップトラックにダッジ・ラムに使われていたエンジンをベースに、ビッグブロックを超える7,900ccV10エンジンを搭載したアメリカンスポーツカー、ダッジ・バイパー。
1991年に登場して以来、アメリカン・マッスルカーの代表例ともなったモデルの2016年式版が発表された。
ボンネット上にも開いたインテーク、サイドを引き締めるカナード、巨大なウィングなどなど、1つ1つのマテリアルはレーシングカーそのもの。しかしこのモデルは公道仕様だという。アメリカという国の懐はどこまで深いのだろうか。
モデル名は2016 Dodge Viper ACR

2012年に3代目としてフルモデルチェンジ。そのバリエーションモデルとしてリリースされるのが2016 Dodge Viper ACRだ。

Super GTのレーシングカーを思わせる、1,876mm幅の巨大なリアウイング。公道走行可能だが、ベクトルはサーキットに向いているという。285km/h走行時のダウンフォースはなんと1トン。市販車両でここまでのダウンフォースを求めているというのも実にアメリカンだ。

8,400ccV10エンジンのパワーは645馬力。最大トルクは83.0kgm。空力と排熱構造のバランスを重視し、まるで背骨のような表情を見せるフロントカウル。

コックピットは黒を基調とした、スポーティなカラーにまとまる。

カーボンセラミックブレーキディスク、専用のブレンボ6ピストンキャリパー、カーボン製エアロパーツ、ビルシュタインレーシングショックに専用設計のKumho Ecstaタイヤなど、装備の1つ1つがスペシャル。さらにオーナーのオーダーにより内外装をカスタムしての納品も可能だ。
パーソナライズされた2016 Dodge Viper ACRは孤高の存在となるだとう。もうライバルは存在しないのかもしれない。
(武者 良太)
*New 2016 Dodge Viper ACR – Fastest Street-legal Viper Track Car Ever