インフロニア・ホールディングス<5076>、三井住友建設<1821>をTOBで子会社化

前田建設工業を傘下に持つインフロニア・ホールディングスは、建設資材価格の高止まりや人手不足など建設業界の厳しい環境変化に対応するため、同業の三井住友建設を子会社化し、経営資源の相互活用を進める。また、グループ全体でのDX(デジタルトランスフォーメーション)・技術開発・サステナビリティー戦略や人材育成の共同推進といった相乗効果を見込む。

三井住友建設は国内大型建築工事での損失計上により、財務体質の改善と早期の業績回復が急務となっていた。

TOBは7月上旬頃の開始を目指している。買付価格は1株につき600円で、公表前営業日の終値544円に対して10.29%のプレミアムを加えた。買付予定数は1億5688万4782株。下限は所有割合66.67%にあたる1億458万9800株。買付代金は最大941億3000万円。公開買付代理人は大和証券。

三井住友建設はTOBに賛同し、株主に応募を推奨している。また、同社株式の約29%を保有する旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンスとその共同保有者らは、TOBに応募することに合意している。TOBが成立すれば三井住友建設の東証プライム市場への上場は廃止となる。

インフロニアは2021年10月に前田建設工業、前田道路、前田製作所の経営統合により誕生。三井住友建設は2003年4月に三井建設と住友建設が合併して設立された。

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