日経BPが発行した書籍『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策』が、「ITエンジニア本大賞2025」のビジネス書部門で大賞を受賞し話題になっている。

著者の今井むつみ氏は、過去作『言語の本質』で「新書大賞2024」でも大賞を受賞した実力派。

彼女の最新作がなぜ再び多くの人の支持を得ているのか、本の内容にも触れながら紹介したい。

“伝え方”の本質に迫る。今井むつみ氏の最新刊が「ITエンジニ...の画像はこちら >>

コミュニケーションのコツを認知科学の観点から解説

「話せばわかる」という言葉があるが、現実にはそう簡単にはいかない。

「何度も説明しているのに相手が理解してくれない」「伝えたはずの内容が違った形で解釈されてしまう」など、ビジネスや日常生活でコミュニケーションの難しさを痛感したことのある人は多いはずだ。

今井むつみ氏の最新作『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策』では、この「伝わらない現象」を認知科学の観点からひも解き、具体的な解決策を示している。

今井氏は同書を通じて、「伝えること」は単なる言葉の工夫ではなく、「相手の認知の仕組みを理解すること」にこそコツがあると解説。

人は自分の経験や価値観をもとに情報を解釈するため、同じ言葉を聞いても異なる意味に受け取ることが多い。そのため、「何を伝えるか」だけでなく、「相手がどう受け取るか」を考えることが、スムーズなコミュニケーションには不可欠なのだ。

同書では、こうした誤解を防ぐために、「視点の偏り」「専門性が生むバイアス」「記憶の書き換え」「感情の影響」といった、コミュニケーションを阻害する要因一つひとつに言及。

さらに、それらを踏まえたうえで「相手の立場に立つ」「コミュニケーションの達人の特徴」といった、伝わる説明やコミュニケーションの齟齬を防ぐコツを紹介する。

ITエンジニアが独自の視点から同書を評価

今回、『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策』を選出した「ITエンジニア本大賞」とはどのようなアワードなのか。この点についても簡単に紹介しよう。

「ITエンジニア本大賞」は、翔泳社が主催する、“ITエンジニアがITエンジニアに読んでほしい技術書・ビジネス書”を選ぶアワード。

一次投票ではWeb上で投票を実施し、上位10冊を選出。

その後、特に得票の多かった6冊を、著者や編集者が自ら「Developers Summit 2025」にてプレゼンし、会場投票で今回の大賞が決定した。

認知科学の視点を取り入れた同書は、単なる「話し方」や「聞き方」のマニュアルではなく、コミュニケーションの本質に迫る内容となっている。「伝えたいのに伝わらない」「なぜか話が噛み合わない」と悩むすべての人に手に取ってほしい一冊だ。

「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策
価格:1,870円(税込)
著者:今井むつみ
体裁:304ページ/四六判
書籍ページ:https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/24/04/22/01363/

PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000155.000041279.html

(IKKI)

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