最近の漫画・アニメ業界では、いわゆる「異世界転生もの」ファンタジーが隆盛を極めています。なかでもゲーマーたちの注目を集めているのが、『異世界おじさん』という作品。
その作中には、“セガ愛”がこれでもかと詰まっているのだとか…。

「セガ」マニアのおじさんをめぐる物語
『異世界おじさん』は、KADOKAWAの無料漫画サイト「コミックウォーカー」で連載中。現在単行本は7巻まで発売されており、2022年7月にはTVアニメ版が放送される予定となっています。

ジャンルとしては、「異世界転生もの」のお約束を逆手にとったギャグ・コメディ。物語の主人公となるのは、17年間異世界に行っていたという「おじさん」と、その甥である高丘敬文(たかおか・たかふみ)です。

「異世界『グランバハマル』に17年いた」と主張し、最初は白い目で見られてしまうおじさんですが、たかふみの前で本物の魔法を披露。
そして2人は共同生活をはじめ、奇妙な日々を送ることに…。

そこで意表を突かれるのが、おじさんが熱狂的な「セガ」マニアであること。なにせたかふみに会って早々、他のことなどお構いなしに、「ゲームハード戦争どうなった?」と「セガ」の現状を尋ねるのです。

おじさんが異世界に飛ばされたのは2000年、すなわち「セガ」の『ドリームキャスト』と「ソニー」の『PlayStation 2』が、次世代ゲームハードの覇権をかけて争っていた時期。

おじさんは勝利を信じて疑わなかったようですが、異世界に旅立ってからわずか1年後、「セガ」は家庭用ゲームハード事業から撤退しています。真実を知らされたおじさんがショックを受けたことは言うまでもありません。


思わずニヤリとする「セガ」ネタ
そうした展開だけでなく、作中には「セガ」にまつわる要素がいくつも登場。たとえば、おじさんは異世界で「黒木天魔」「ウルフガンブラッド」といった名前を名乗りますが、その元ネタは「メガドライブ」の名作『エイリアンソルジャー』のキャラクター名。

また、『ぷよぷよ』の攻略本から知った「ピンチはチャンス」という格言を座右の銘とするなど、ニッチなネタも少なくありません。ちなみにおじさんの初恋は小学生の頃、「メガドライブ」の『ソニック・ザ・ヘッジホッグ2』のタイトル画面に出てきたあの2人だったようです。

かように、おじさんは「メガドライブ」を愛好している様子。復刻ハードの『メガドライブ ミニ』が発売された際には、公式コラボ漫画が発表されたのですが、おじさんが「セガ」からのメッセージを勝手に読み解く迷シーンが描かれていました。


他にも同作は、「セガ」との公式コラボを度々実施。昨年12月に公開された動画では、おじさんが「セガ」本社に呼び出され、“公認”をもらったことが明かされています。

「異世界転生もの」のファンだけでなく、「セガ」好きも虜になること必至。アニメ化の前に原作をチェックしてみてはいかがでしょうか。