50代「思いつき転職」はさすがに避けるべし では、どう準備する？【ひろ子ママの教訓　その63】

きょうは50代のOさんです。

「大企業で新卒から働いてきましたが、出世コースを外れ、この先、会社に残っても年収も上がる見通しはないので、最近、転職を考えはじめました。

転職サイトに登録してみたものの、これといった会社も見つかりません。結局、まだ一社も応募することなく、たまにサイトを眺めてみたり、時間だけが過ぎていきます。この歳だと非正規採用が多いんですね......。年収が大幅ダウンしたり、やっぱりこの年齢からは難しいのかな。現実をようやく理解したところです」

「これまでのキャリアを変えたい」
「新しいことに挑戦したい」

そんなことが通じるのは20代?30代くらいまででしょう。運よく「何となく良さそうな会社」に入れたとしても、入ってから「こんなはずじゃなかった」「転職しなければよかった」と、そんなふうに考えて続かなくなってしまう可能性が大です。

出世コースを外れてしまったけど、「我慢して定年までは働こう」。実際、そう選択する人も多いと思います。もしかしたら、生涯年収だけで言えばそれが正しい選択であるのかもしれません。

ただ、そのまま過ごしてしまうと「モヤモヤ」が続いたまま定年まで過ごすことになります。不満、不安を抱えたまま過ごしていても、ずうっとその気持ちと一緒に過ごしていかないといけません。

Oさんも大企業で30年近くのキャリアを重ねてこられたので、自分の価値に一度向き合ってみましょう。

大企業から中小企業に転職した知り合いがいますが、大企業で培った実務経験が買われての採用になりました。中小企業では、マネジメント層が不足していたり、教育体制が整っていなかったりと、大企業での経験者を求めていることがあります。

出世コースを外れてしまったから、諦めてしまうのではなく、まずは自分をアピールできるように、自分自身の価値に向き合ってみましょう。

まず、今のOさんの会社を基準に探してしまうと、おそらく同じ条件の会社がヒットすることはないと思います。

すると「えっこんな年収下がるの」「そもそも数が少ない」ってこと、というふうになるかもしれません。でも、それが今のOさんの市場価値なんです。

Oさんが欲しい年収の求人票をみてみると、逆に今足りないことが見えてくるかと思います。100年時代、この先まだまだ時間はあるからといっても思いつきで動くのは無理がある年齢です。

とはいえ、世の中には、「なんかうまく転職してるな」と見える人もいると思います。そのような方々は、会社に在籍中に会社以外の場所で活動していることが多いです。たとえばプロボノ（自分のスキルをボランティアで生かすこと）だったり、コミュニティに参加していたり、転職活動する以前に、自分の社外の価値を知っているんですね。この先のキャリアを見据えてすでに動いているわけです。

Oさんのように悩む人はたくさんいると思いますが、そこから動ける人は一部だと思います。せっかく転職サイトに登録されたように一歩踏み出されたので、もう一歩動いてみましょう。