企業の人材開発支援を行うウィルシード(東京都渋谷区)は2023年6月8日に「若手リーダーの悩みに関する実態調査」の結果を発表した。調査によると、仕事やキャリアについて悩みがある若手リーダーは61.0%に上るという。

理由として、「昇進のビジョンがハッキリせずモチベーションが上がらない」「仕事は時間を取られる割に楽しくない」などが上がり、仕事に対してモヤモヤを抱えている中堅社員が多いらしい。

若手リーダーとして視座を引き上げたい人59.0% ハードルは「やり方がわからない」、「自分に適した情報ない」

今回の調査は、PRマーケティング会社のIDEATECH(アイデアテック)が提供するリサーチPR「リサピー」の企画として、2023年4月26日から2023年5月3日までの間に行われたものだ。これまでに転職経験・越境学習経験のない、大企業に勤める5年目から10年目の主任や係長などのリーダー職100人を対象とした。

はじめに、自身のキャリアや仕事に対しての悩みを聞いた(n=100)。すると結果は、「非常にある」が「24.0%」、「ややある」が「37.0%」、「あまりない」が「18.0%」、「全くない」が「12.0%」、「わからない/答えられない」が「9.0%」となった。

「ある」(非常にある:24.0%、ややある:37.0%)を合計すると、「61.0%」となり、「ない」(あまりない:18.0%、全くない:12.0%)をあわせた「30.0%」と比較すると2倍程度となった。

キャリアや仕事の悩みが「ある」(「非常にある」と「ややある」)と答えた人(n=61)に、具体的な理由を聞いてみると、「自分のやりたいことがわからない」(55.7%)、「自分の強みがわからない」(49.2%)、「仕事に対してワクワクしない」(45.9%)などの意見が上位を占めた。

自由回答では、以下のような声が上がった。

・32歳:適正な評価をしてもらえない。
・27歳:昇進のビジョンがハッキリせずモチベーションが上がらない。
・30歳:仕事は時間を取られる割に楽しくない。
・30歳:きちんとキャリアが積めているか不安。

つぎに、「あなたは、キャリアや仕事に関して、今以上にご自身の視座を引き上げていきたいという思いがありますか」(n=100)と聞いてみると、「非常にある」(11.0%)と「ややある」(48.0%)をあわせた「59.0%」の人が物事を見たり、それについて考えたりするときの立場をリーダーとして高めたいという回答をした。

キャリアや仕事に関して、今以上にご自身の視座を引き上げていきたいという思いが「ある」(「非常にある」と「ややある」)と答えた人(n=59)に対して、視座を引き上げるうえでのハードルとなるものを具体的に聞いた。

すると結果には、「引き上げるやり方がわからない」(44.1%)、「自分のキャリアや仕事に適した情報がない」(32.2%)、「情報をインプットできる機会がない」(28.8%)という回答が上位を占めた。

自由回答を見てみると、こういった声が上がっている。

・29歳:家庭との優先順位。
・32歳:資格などを取得する時間がない。

・32歳:育児との両立。
・30歳:自分の強みがわからない。

続いて、最初の質問で「キャリアや仕事に対して悩みがある」と答えた人(n=61)に対して、何か行動を起こしたか聞いてみると、「特に行動は起こしていない」(39.3%)、「なんとなく転職サイトに登録した」(34.4%)、「転職エージェントに相談した」(16.4%)「同僚や先輩に相談した」(13.1%)という結果が得られ、特に行動をしていない人が「39.3%」で最多になった。

同世代異業種の交流など越境学習に興味がある人29.0% 同社は「キャリアの悩み解決のヒントあるかも」

また、「あなたは、異業種同世代の方とワークショップに参加したり、交流したりする『越境学習』に興味がありますか。」(n=100)と質問。越境学習とは、ビジネスパーソンが組織の枠を超えて(越境して)学ぶことであり、イノベーションの探究や自己評価の再確認などの効果が期待されている。

結果を見ると、「非常に興味がある」が「1.0%」、「やや興味がある」が「28.0%」、「あまり興味がない」が「28.0%」、「全く興味がない」が「36.0%」となった。

さらに、越境学習に「興味がある」(「非常に興味がある」と「興味がある」)と答えた人(n=29)に対して、その理由を聞いた結果、「自分にない観点から意見をもらえると思うから」(69.0%)、「自社や自身に対して客観的な意見を得れると思うから」(48.3%)、「新たな仕事のやりがいを発見できると思うから」(44.8%)となった。

これらの調査に対して同社では以下のように総括する。

「『自身の視座を上げたいが、引き上げ方がわからない』などの理由のひとつとして、外部との接点がないことが挙げられます。
異業種同世代の方とワークショップに参加したり、交流したりする『越境学習』に一度視野を外に向けることを体験してみることで、『成長の可能性が見えない』や『ワクワクしない』などキャリアや仕事に関する悩みを解決するヒントが見つかることがあるのかもしれません」