将棋の藤井聡太七段が、タイトル獲得の最年少記録を塗り替えた。2020年7月16日、関西将棋会館(大阪市)で行われた「第91期ヒューリック杯棋聖戦」の5番勝負第4局で、渡辺明棋聖に勝利。
「棋聖戦」は将棋の「8大タイトル」のひとつ。改めて、各タイトルの特色や違いに焦点を当ててみた。
棋聖戦は5番勝負、王位戦は2日制で7番勝負「8大タイトル」とは棋聖戦に加えて、竜王戦、王位戦、王将戦、棋王戦、王座戦、名人戦、叡王戦だ。最も歴史があるのが、1935(昭和10)年から始まった名人戦。各タイトルの最多獲得数を調べると、羽生善治九段が一人で王座戦(24回)、王位戦(18回)、棋聖戦(16回=タイ)、棋王戦(13回)と飛びぬけている。
まず、藤井七段が制した棋聖戦。全てのプロ棋士(以下、全棋士)と女流棋士2人が参加するタイトル戦だ。1次・2次予選をトーナメントで行い、その勝ち上がり者とシード棋士16人で決勝トーナメント、最後にその優勝者と棋聖が5番勝負を行う。タイトル戦の持ち時間は、4時間。
棋聖戦ではこれまでに大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人、羽生九段が16回タイトル獲得で並んでいる。
藤井棋聖が現在挑戦中の「王位戦」。
将棋界最高のタイトル戦とされる「竜王戦」は、全棋士と女流棋士4人・奨励会員1人・アマチュア5人で行われる。1組から6組に分けてトーナメント戦を行い、各組上位者の計11人による決勝トーナメントで挑戦者を決める。挑戦者は竜王と7番勝負で、ここでの持ち時間は8時間となる。
最も新しい「叡王戦」持ち時間に特徴「王将戦」は、全棋士で1次・2次予選トーナメントを行い、その勝者とシード棋士4人でリーグ戦。ここで同率首位の棋士が複数出た場合は、原則として順位上位2人の棋士によるプレーオフ。リーグ優勝者と王将が持ち時間8時間の7番勝負を行う。
「棋王戦」は、全棋士に加えて女流名人、アマチュア名人も参加する。
「王座戦」の参加者は、全棋士と女流棋士4人。1次、2次予選トーナメントを勝ち抜いた棋士とシード棋士の16人で挑戦者決定トーナメントを行う。これに勝った挑戦者が、王座と5番勝負を行う。持ち時間は5時間。
「名人戦」では、順位戦に参加しない「フリークラス」を除いた棋士を、A級・B級1、2組・C級1、2組の5つの組に分けてリーグ戦を行う。A級同率首位の棋士が複数出た場合は、同率の棋士全員によるプレーオフ。A級優勝者と名人が、持ち時間9時間で7番勝負を行う。
「叡王戦」は最も新しいタイトルだ。
持ち時間は、決勝7番勝負は変則的で、第1・第2局は、1時間・3時間・5時間の3つのうち一つを先手の棋士が選択する。第3・第4局では後手の棋士が、先手が選ばなかった2つのうちの1つを選択し、最後の1つが第5・第6局での持ち時間となる。最後の第7局は6時間だ。<J-CASTトレンド>