「シーズンを重ねるごとに制作費が増加し、“1本1億円”とも言われるようになっていました。それも、すべては看板シリーズを続けるため。
4月に入って、『ドクターX』(テレビ朝日系)の降板を申し入れたという米倉涼子(44)。それは、通常であれば考えられない選択だっただろう。
「米倉さんには1本800万円以上のギャラが提示されるなど、破格の待遇が用意されていました。ドラマが放送される3カ月間で、総額約1億円! これほどの額は聞いたことがありません。
また第2シーズンから第5シーズンまでは、全話平均視聴率20%超え。19年放送の第6シーズンこそ18.5%となったものの、依然として高い視聴率をキープしていました。さらにテレビ朝日は、シリーズものを得意とする局。続けていれば、これからも女優としての成功は約束されていたのです」(前出・テレビ局関係者)
そんな“失敗しない道“を、あえて自ら捨てた米倉。そんな彼女が近年、全力で打ち込んでいたのが舞台の道だった。
2012年にアジア系女優で初めてブロードウエーミュージカル『CHICAGO』の主演「ロキシー・ハート」役に抜擢された米倉。17年の再演が決まった際には「今回が最後だと思っている」と強く決意し、19年に3度目の起用となった際には「『CHICAGO』とずっと関わっていたい」と作品への愛着を見せていた。
前向きではなかったというドラマとは、対照的ともいえる意気込みだ。
19年当時、NY公演を現地で鑑賞した日本人客からはこんな絶賛の声が上がっていた。
《ネイティブの演者さんに囲まれながらも、迫力ある演技に圧倒されました》
《並大抵の努力ではここまでできなかったんだろうと思う。見られて良かった》
《最後は、観客スタンディングオベーション》
熱のあるステージに立ち、全身で演技に打ち込む。そして最後は観客が総立ちとなり、拍手を送る――。そこには、ドラマにはない生の息遣いがあったのだ。
独立後に開設した自身のインスタグラムにも、米倉は『CHICAGO』の写真をアップ。そして、こんな文章を投稿している。
《大好きなCHICAGOのブロードウェイ挑戦はいつも私の夢です。家族、沢山の友達、スタッフ、メンバーの支えがあって成し遂げられた感動は一生忘れません》
今年3月でオスカープロモーションを退社した際、米倉は「これから、自分らしく頑張っていきます」とコメントしていた。
失敗しない道ではなく、自分らしく生きる道を。そんな米倉の挑戦は、これからも観る人たちを惹きつけるに違いない。