「まだ市村さんの長男であることは正式には発表されていませんが、ミュージカルファンたちの間では“初の親子共演では!?”と話題になっています」(舞台関係者)
7月1日、10月7日から本公演が開幕するミュージカル『オリバー!』の子役キャストが発表された。総勢54人の子役が並ぶ中、そこには思わぬ名前が――。
市村正親(72)の長男(13)が出演するというのだ。
「市村さんはフェイギンというギャング団の頭領役として出演し、息子さんはその一味を演じます。彼が舞台に出演するのは初めてだといいます」(前出・舞台関係者)
父親との初共演には長男も胸を躍らせていることだろう。しかし、いっぽうで両親はその約3週間後に苦渋の決断をくだす。7月24日、市村と篠原涼子(47)は15年半の結婚生活に終止符を打った。
「市村さんは、昨年からコロナ禍での家庭内感染を防ぐために別居生活を始めたことで“新しい家族のカタチ”を考え、決断したことをコメントの中で明かしていました」(スポーツ紙記者)
本誌も、市村と2人の息子が住む自宅からほど近くにある高級賃貸マンションに帰宅する篠原の姿をたびたび目撃している。そのつど、篠原の所属事務所は市村との不仲を否定し、期間限定の別居であると本誌に強調していたが、そのまま離別することとなった。
離婚に際し、慰謝料も財産分与もないということだが、市村にはどうしても“譲れないもの”があった。息子2人の親権だ。
市村がコメントで《人生の先輩である私の強い希望で、親権は私が持つことを受け入れてくれました》と綴っていることからもその強い意志がうかがえる。
それもそのはず、市村は老体に鞭打ちながら息子たちに全身全霊で愛を注ぎ続けてきた。
■2人の息子は「パパみたいな役者になりたい」
「市村さんは、長男が生まれる時期に合わせて3カ月の産休を取り、篠原さんの母親学級にも一緒に付き添ったといいます。
市村はかつてインタビューでこう喜びを爆発させていた。
《生まれたばかりの息子を抱いたとき、僕は『ああ俺の子だ、俺の次世代の人間だ』って強く思った。そして、『おまえのこと、59年間待ってたんだよ』ってささやいていましたね》(『AERA with Baby』’10年10月号)
そして、’12年2月には次男が誕生。成長した息子たちは、徐々に市村の仕事にも興味を持ち始める。
「市村さんが舞台に出演すると、2人はよく見に行ったそうです。 特に長男はミュージカルにハマり、市村さんの出演が決まると大喜びしたといいます」(前出・知人)
そして、2人ともいつしか父親の背中を追うように。市村はこう語っている。
《将来は、2人ともパパみたいな役者になりたいそうで。上の子ははっきりと「自分はこの世界で生きたい」と言っていますし、下の子は「僕はパパがやった役を全部やりたい」って》(『婦人公論』’20年4月14日号)
市村もそんな息子たちの思いに全力で応えていたという。
「2人とも自分と同じ道に進みたいと思ってくれたことが市村さんはうれしかったようで、自宅ではよく2人の発声練習を指導しているそうです。また長男はクラシックバレエやタップダンスも習っているといいます」(前出・知人)
■「子供たちの前じゃ手は抜けないだろ、市村!」
出産後は女優業をセーブし、母親として全力で家庭を支えてきたのは元妻の篠原も同じ。
「篠原さんは子育てがある程度落ち着くと、毎年のように主演作を抱えるように。市村さんは『母親はできれば子供のそばにいてほしい』と思いながらも、女優業に生きがいを感じる妻の生き方を尊重していました。
しかし、次第に篠原さんは打ち上げなどで遅くまで家に帰らないことが増え、市村さんともしばしば言い争うようになりました。市村さんと別居すると、自宅にはたまに帰るのみで、代わりに家政婦さんがほぼ住み込みで、息子たちの面倒を見るようになったそうです」(篠原の知人)
別居中の昨年7月下旬、息子たちが通う私立小学校の保護者同伴の説明会に出席する市村の姿を本誌は目撃。ほとんどの子供は両親と参加していたが、そこに篠原の姿はなかった――。
そして、溝を埋めることができないまま離婚を選んだ市村と篠原。72歳という年齢でありながら、市村が親権を死守した陰には、息子たちへの“継承”が影響していると、前出の知人は言う。
「市村さんの年齢でやんちゃ盛りの男の子2人を育てるのは体力的にもかなりしんどいはず。しかし、市村さんにはミュージカル俳優の大先輩として“自分が息子たちを後継者として育てないといけない”という使命感があるといいます。
もちろん篠原さんも息子たちの夢は応援していると思います。しかし、彼女のライフスタイルを考えた市村さんとしては“涼子には任せておけない”という思いもあるそうで、親権を獲得することで公私とも責任を持つ“最後の意地”を見せたのではないでしょうか」
市村は『オリバー!』出演に際し、こう意気込んでいる。
《72年生きてきて、芸歴50年になろうとする僕の、「それでもまだこの男はもがいているぜ」「輝いているぜ」って姿を子供たちに見せるために、神様が采配してくれているんじゃないかなと思います。そして僕に対しても、「子供たちの前じゃ手は抜けないだろ、市村!」と言っている気がしますね》(『ステージぴあ』’21年7+8月号)
ミュージカルを舞台に、市村の“子育て第2章”が今、幕を開けようとしている――。