3月1日、ココリコの田中直樹(50)が現在放送中の『鎌倉殿の13人』(NHK)で大河ドラマに初出演することが発表された。田中が演じるのは、源平動乱の時代に公家の頂点に立つ九条兼実。

出演するにあたり、田中は《こんなに位の高い役をいただいたことがなく、また初めての大河ということで私自身相当浮き足立っておりますが、しっかりと地に足をつけて兼実を演じられればと思っております》とコメントを寄せている。

大抜擢された田中だが、2月18日に公開された映画『牛首村』で主演するKoki(19),の父親役も演じている。

Koki,さんが最初に撮影したのは、田中さんとの共演シーン。Kokiさんは公開初日の舞台挨拶で、『休憩中に田中さんからフランクに話しかけてもらったことで緊張が和らいだ』と語っていました。さらに田中さんの父親役の感想として、『穏やかで素敵なお父さん』とも絶賛でした」(芸能関係者)

最近では2月17日放送の情報番組『あさイチ』(NHK)で、博多華丸(51)が新型コロナに感染したことで欠席した博多華丸・大吉の代打MCを務めたことも記憶に新しい。

田中は少し焦りながらも博多華丸・大吉の宣材写真を取り出し、ハンカチ代わりに汗を拭く仕草をするなどボケを連発。そんな田中にSNS上では、《ちゃんとボケ用意するしきちんと回せるし安心して観ていられた》《こんなにフィットするとは!》と絶賛の声が相次いだ。

その一方で、昨年8月放送の『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)では、「TANAKAER」として映画『JOKER』の主人公のパロディを披露。その強いインパクトは、多くの視聴者を沸かせた。2月23日に放送された『LIFE!~人生に捧げるコント~』(NHK)でも、お馴染みとなっている「東京ゲスニックマガジンの記者」に扮して強烈なキャラクターを演じていた。

■「普通の人も変な人もどちらも演じられる」

穏やかな人柄ながらもしっかりインパクトを残す田中。様々なシーンで演技力の高さが伺えるが、各方面で重宝される理由をお笑い評論家のラリー遠田氏に聞いた。

田中の演技力について「コントなどで培ってきた表現力が活かされている」と評するラリー氏は、“愛されキャラ”でもある田中の魅力や強みについてこう分析する。

「真面目さと落ち着きがあって、見た目も普通の人っぽくて、いい意味で芸人らしくないところが田中さんの魅力だと思います。演技が上手でキャラクターにクセがないので、コントやドラマではどんな役柄にも自然に馴染むことができます。

一方で、コントなどで変な人を演じるときには、その風貌がかえって不気味に見えてくるようなところもあります。普通の人も変な人もどちらも演じられるというのが田中さんの強みです」

ガキ使」ではダウンタウン、「LIFE!」では内村光良(57)と長きにわたって共演し、大御所を支える中堅芸人として頼もしい存在でもある田中。一方で後輩芸人が増えていくなか、田中はどのような立ち位置にあるのだろうか? ラリー氏はこう読む。

「ダウンタウンや内村さんのような先輩芸人には愛される一方、後輩に対しては余分な威圧感を与えない優しいキャラクターの人として認知されているのではないかと思います」

そんななか、ココリコは今年5月で結成30周年を迎える。

これまで互いに単独での活動が多かったが、田中は昨年5月にラジオ番組で相方・遠藤章造(50)について、「必ず会うのは週に1回だけだから。何とかしないとなぁ」とコンビ揃っての活動に意欲を示していた。その後、同年11月26日にYouTubeでコンビの公式チャンネルを開設し、コントの新作を披露し続けている。

チャンネル開設の理由について、田中はメディアのインタビューで次のように語っている。

《コンビで仕事をする機会が減り、もっと一緒にやれたらいいねという話していて、コンビでやるならコントがいいなと思ったので、コントを中心としたYouTubeチャンネルを立ち上げることになりました》(’21年11月26日付「マイナビニュース」より)

芸歴30年経ってもなお芸を磨き続けるココリコの存在は、他の同世代のコンビと比べて稀有な存在のようにも見える。

さらに前出のインタビューでは、主に田中がネタを考案しているとも明かしていた。そのような真摯な姿勢について、ラリー氏はこう語る。

「田中さんは、テレビで活躍していた頃から『ペルソネル活動』というコントDVDをリリースするなど、個人としてのネタを発信する活動も続けてきました。コントやネタを作ることにはこだわりのある人だと思うので、今後もそういった活動は続けていくのではないでしょうか」

30年間コンビとして連れ添った遠藤と共に、さらに進化した笑いを見せてくれることだろう。

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