市川海老蔵(44)に相次ぐ“多重交際”報道が波紋を呼んでいる。

昨年10月15日発売の『週刊ポスト』では、巡業先の倉敷と米子で2人の女性と逢瀬を重ねていたとスクープされていた海老蔵。

すると3月24日発売の『女性セブン』では3人の女性との密会の様子や、“関係を持った”とする女性の証言を掲載。記事ではInstagramを使った「SNSナンパ」や2万円を渡しての「パパ活」を持ちかけていたとも伝えていた。

そして4月7日発売の『女性セブン』では3月に報じた女性のうち1人を、亡くなった妻・麻央さんとの思い出の邸宅に招いていたと報道。加えて、新たに別の女性をその前日に引き入れていたというのだ。

その数、実に7人。独身とはいえ、“女癖は健在”と多くの人にも印象づけられることとなった。

ただ一連の報道について、コラムニストのおおしまりえさんは「男女ともにネガティブなリアクションをしてはいるものの、温度差がある」と言う。その理由とは―――

■家という場所は、男女で意味が違う

今回の騒動は一貫して彼の株を下げ、ネガティブな印象を世間に与えたのは言うまでもありません。ただ興味深いのが、そのダメさを評価する男女の温度差です。男性の多くは「ダメ」と言いながらも、やや冷静です。

「人間性は前から問題あったよね」

「イメージは下がるけど、独身だし好きにすれば」

こういった声が目に付きました。

いっぽう女性のリアクションはというと、心底がっかりしたといった声が目立ちます。

「家に連れ込むなんて、信じられない」

「自宅に連れ込むのは、子どもが知ったらどう思うのか考えたことがあるのか」

など、軽蔑感を想起させる言葉が多い印象です。

男女でくくりすぎるのもよくありませんが、こうした自宅での逢瀬について男女でリアクションが分かれるのはある種、当然といえます。なぜなら女性にとって家という場所は「安全地帯」であり、ある種の「聖域」だからです。

■聖域を侵されると、女性の苦しみは大きい

聖域と表現しましたが、もちろん「どれくらい住んでいるか」「持ち家か賃貸か」で思い入れも変わっていきます。

ただ女性にとって家は、「自分や自分の家族が安らかに過ごす基地」としての役割を持っています。海老蔵さんは妻が亡くなって5年とはいえ、すでに自宅ではなく稽古場になっているとはいえ、はたから見たら「夫婦の基地」であり「聖域」であることには変わりません。

そこに真剣交際の末の再婚者があがるならまだしも、連日、別の女性と連れ込んでいたとあっては、嫌悪感を抱かせるのも当然のことです。

また一般的な不倫よりも、自宅に連れ込んで行った不倫のほうが女性にとってはショックや怒りを抱かせるというのも仕組みとしては同じです。

ただの不貞も許せないけれど、不倫相手に自宅という聖域に踏み込まれたという事実はよりいっそう妻としてのプライドを崩していきます。

また、夫というパートナーへの根本的な不信感も抱かせます。「この人は、自分の利のために聖域へ他人を踏み込ませる人」と思われたら、夫が妻の信用を再び積み上げるのは容易なことではないのです。

芸の素晴らしさとともに、人として“圧倒的にダメなところ”も披露することとなった市川海老蔵さん。

将来は人間国宝ともささやかれています。ただ人間国宝ともなれば、人間性も求められるもの。欠点をカバーするほどの功績が求められる現状は、一歩引くと自分で自分をさらに苦しめているようにも見えます。

前出の関係を持ったという女性によると、海老蔵さんは何度も「愛していると言って」と要求していたそうです。どういう意図で発したのかはわかりません。愛に植えているのだとしたら、それが自分をさらに苦しい状況へと追い込んでいるわけです。なんとも彼が背負っている運命というのは皮肉だなと思わざるを得ません。

(文:おおしまりえ)

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