政治学者・三浦瑠麗氏(42)の夫・三浦清志氏が抱える10億円の投資トラブルによって三浦氏本人にも影響が出始めている。三浦氏が木曜レギュラーを務める情報番組『めざまし8』(フジテレビ系)は当面の間出演見合わせに。

また、Twitterでも8万件を超えるツイート数で「三浦瑠麗」が一時トレンドに上がるなどネットでも注目を集めている。

10億円の投資トラブルとは、三浦氏の夫・清志氏が太陽光発電事業の名目で約10億円をだまし取ったとして詐欺容疑で刑事告訴されたというもの。東京地検特捜部は20日、清志氏の会社と自宅を家宅捜索した。

三浦氏は一連の事態を受けて20日、自身が代表のシンクタンクのホームページで「全く関与していない」とのコメントを出している。しかし、夫婦は別人格であるとはいえ、批判の声は大きい。

「三浦氏は、政府の成長戦略会議や過去に出演したテレビ番組でも、太陽光発電を推奨するような発言があったということで、“利益誘導”や“詐欺の広告塔”の疑いなどが報じられています。

また、夫の投資トラブルに関連する民事裁判で、夫が代理人に立てていたのが、旧統一教会の顧問弁護士で現役信者という報道も出たため、余計に注目が集まっているのでしょう」(全国紙記者)

そんな中でネットでは今、三浦氏の過去のある論文に注目が集まっている。

それは自民党が主催する「国際政治・外交論文コンテスト」で2004年に三浦氏が最優秀賞である「自由民主党総裁賞」を受賞した論文だ。同コンテストは04年から22年まで毎年行われており、第1回目の初代最優秀賞受賞者が三浦氏なのだ。

「このとき三浦さんはまだ東京大学農学部の学生で23歳でした。ここから三浦さんの華々しいキャリアが始まったと言えるでしょう」(前出の記者)

この論文についてネットでは、

《よくテレビでお見かけする三浦瑠麗さんが東京大学農学部4年のときに自民党総裁賞を受賞した「論文」があるんだけど、わたしはあれを読んで彼女を見る目が一気に変わった。よくない方へ。

あといまの自民党は相当やばいなと思った。興味あれば見てみてほしい》
《これ、出来レースで「とりあえずなんか書いてよ」とオファーされたんじゃないのか?誤字が3か所もあったし1、2時間で知っていることさらりと適当に書いて提出した感がすごい。箔付のためにこのコンテストが用意された気すらする》
《論文コンクール第一回の受賞者だったかと。父親の人脈などから自民党に一本釣りされたのだろうと思いました。杉田水脈議員に近く、でももう少しアカデミック受け?する人材というつもりだったのでは》

■《我々日本人は国際社会においては、ジャパニーズ・ドリームの体現者だとまず自覚を》

ここまで言われる論文とはどのような内容なのか。一部抜粋する。

テーマは「日本の国際貢献のあり方を考える」で、冒頭は《国際貢献とは日本の生き様を示す舞台でなければならない》という見出しから始まる。

《国際貢献の究極の目的は、国際社会の住人としてその責任を果たすことであり、日本の信じる正義を実現することである》

《日本は、世界一の長寿国であり、世界一安全な国である。世界に誇れる独特の伝統を保持しつつ、世界にも例を見ない美しい国土を持った国である。我々日本人は、国際社会においては、まさにジャパニーズ・ドリームの体現者であることをまず自覚すべきである。その上で、どのように具体的な国際貢献をなし得るか考えてみるべきであり、国際貢献とは、日本の生き様を国際社会に示す舞台でなければならない》

《日本の理想を掲げることは、他国に対して優越的な地位を主張したり、威張ったりすることではない。むしろ、日本と言う類い稀な国に生まれた我々の、世界とアジアに対する特別の責任を自覚した覚悟の必要な姿勢である。

日本の国際貢献のあるべき姿は日本の理想を高く掲げることであると考えるが、それは、日本人自身の生き様を世界に対してしめしていくことに他ならない》

この論文については著名人・識者からも辛口コメントが続出。映画評論家の町山智浩氏はツイッターで20日、次のように指摘した。

《このたった4Pの論文だけで今の国際政治学者としての地位を築いたのか。参考文献も論拠となるデータも実証的な論拠もなく、ただ自分の気持ちだけを書き連ねている。これは論文ではない。作文だ》

麗澤大学客員教授の飯山陽氏も21日に配信した自身のYouTubeチャンネルで三浦氏の論文を採点して「及第点はあげられない」「感想文としてもダメ。

中身は一層意味不明」と酷評。

昨年の同コンテストでは、10代~90歳まで86名の応募があり、授賞式には岸田文雄首相(65)や茂木敏充幹事長(67)らも出席したことを、審査委員を務めた井上信治議員(53)がブログで明かしているが、一体どのような論文コンテストなのか。過去の審査員の1人である、青山学院大学の袴田茂樹名誉教授に聞いた。

■「評価がバラバラになることもあります」

「三浦さんが受賞した第1回目は私が審査員になる前のことだと思います。一昨年の第18回まで10回前後は審査員を務めましたので、私が責任を持って言えるのはその期間のことだけです。

選考の手順は、まず自民党国際局の方で下選びをして、入賞件数の2?3倍ほどの論文を選出。

それを7?8名ほどの外部の審査員が採点して、採点の合計が高い順に賞を取るというシステムです。各人がそれぞれの評価をしますから、評価がバラバラになることもありますし、皆さんの評価が同じようなときもありましたし、それは年によってさまざまでした」

それではどういう人物が審査員に招かれるのだろうか。

「審査員には、政治学者や出版社の編集長、マスコミで論説するような人などがいました。識者が必ずしも中立と言えるかどうか私にはわかりませんが、櫻井よしこさんや百田尚樹さんのような保守論客が常連メンバーということはありません(笑)。

とはいえ、自民党に招かれているので、自民党の対外政策を真っ向から批判し続ける人ではないとは思いますが、私は自民党の党員でもありませんし、当時の安倍政権の対露政策に対しては公にかなり批判していましたので、そういう意味で、時の政権を全面的に支持する論文が選ばれるようなシステムになっているとは限らないです。少なくとも私に関しては、自信を持って公正な立場で選考にあたってきました」

三浦氏の論文が論文の体裁をしてないとの指摘がある件については、袴田名誉教授は次のように解説する。

「引用文献等をきちんと書いた学術形式になっているものと、自分の意見を独自に述べるものと結構バラバラでした。色んな人の意見を引用しながらではなく、自分の独自の意見を述べるという論文も私はここではいいと思います。

学生、学者、あるいはもっと年配の人たちの論文など色々ある中で、私が読んだ中で一番年齢が低かったのは中学生の論文でした。非常にいい論文でした。決して学術的なスタイルではありませんが、むしろ下手な学者の論文より言うべきことを自覚した内容で、よく中学生でこれだけのものを書けたなと驚いたくらいです。なので、学術的な論文の体を成しているかは評価には関係なく、中学生が自分の体験を元に書いた論文でも、非常に強い印象を受けて評価した論文もあるということは言っておきます」

三浦氏が再び『めざまし8』に登場する日は来るのだろうか。