「岡田さんは、木村さんの映画の公開が、自身が出演する大河ドラマの放送と同じタイミングになることに驚いていたそうです。なにせ同じ信長役ですからね」
こう語るのはドラマ関係者。
1月27日、木村拓哉(50)が織田信長役で主演を務めた映画『レジェンド&バタフライ』が公開。
これに先がけ、木村は’22年11月に岐阜県で行われた「ぎふ信長まつり」のパレードに参加。“木村信長”の姿を一目見ようと、定員を大きく超える96万通余りの応募があったことも話題となった。
いっぽう、NHKでは大河ドラマ『どうする家康』が放送中。岡田准一(42)が織田信長を演じ、徳川家康(松本潤・39)を「俺の白兎」「俺のおもちゃ」などと独特に表現し、登場するたびにツイッターのトレンド上位に入るなど、こちらも注目を浴びている。
ジャニーズの先輩と後輩が奇しくも同時期に信長を演じたわけだが、
「信長といえば天下統一への足掛かりを作った人物で、“カリスマ”的なイメージを持つ特別な存在。
映画は“妻・濃姫とともに生きる信長”、大河は“家康から見た信長”と、描かれ方は異なりますが、どちらも脚本は『コンフィデンスマンJP』などで知られる人気脚本家・古沢良太さんが担当しています。
これまで何度も時代劇に出演してきた木村さんと岡田さんがどのように信長を表現したのか、注目が集まっています。まるで“信長バトル”のようです」(映画関係者)
双方の信長役への熱意は並々ならぬもののようだ。
木村は昨年6月に行われた映画の記者会見で信長について、次のように語っている。
「信長には引かれる部分が多く、演じられるのはすごく名誉なこと」
本誌は’21年12月、滋賀県・彦根城周辺で映画の撮影に臨む木村の姿を目撃しているが、
「撮影の合間、木村さんは共演者やスタッフに冗談を言うなど、楽しい空気を作っていましたが、本番が始まると一変。殺気立った雰囲気で、まさに“信長がそこにいる”と感じるほど、圧倒的な存在感でした」(前出・映画関係者)
岡田も気合十分で、
「“これまでにない信長になる!”と意気込んでいました。
信長の衣装を身に着けると威圧感が凄まじく、現場も緊張感に包まれ、セリフが飛んでしまう共演者が出るほどです」(NHK関係者)
初の信長役に挑んでいる岡田のいっぽうで、木村が信長を演じるのは2度目。
「25年前に木村さんは単発ドラマ『織田信長 天下を取ったバカ』(TBS系)に信長役で主演しました。木村さんにとって時代劇初挑戦だっただけに、信長への思い入れは強いのではないでしょうか。
木村さんは今回の映画で、事前に役作りをするというよりは、現場で共演者やスタッフと相談しながら信長を作り上げていました。“カリスマでありながら人間らしい信長にしたい”という思いからだそうです」(前出・映画関係者)
木村は信長の魅力について、
「本当だったら伝統だったり文化だったりが重んじられるところを、『いや、ダサいものはダサい』と言える。ある意味、パンクだと思う」(「ぴあ」1月23日配信)
と語っているが、
「信長を“パンク”と表現するなんて、独特ですよね。木村さんにとって信長はロックスターのような存在なのかもしれません」(前出・映画関係者)
岡田はそもそもが“歴史オタク”としても知られている。
「岡田さんは小学2年生のころに『聖徳太子が10人の話を同時に聞いた』という逸話を知って以来の歴史好き。歴史上の重要人物である信長はいつかは演じてみたい役柄だったとか。
大河ドラマ『軍師官兵衛』(’14年)では主演を務めましたが、信長も官兵衛を重用していたといわれています。官兵衛にとってのキーパーソンをまた別の大河ドラマで演じるのは、感慨深いものがあったでしょう」(前出・NHK関係者)
信長と岡田には共通点があると、前出のドラマ関係者は力強く語る。
「信長は無類の日本刀好きとして知られ、500振り以上の刀を持っていたそうですが、岡田さんも実は刀好き。
また信長は茶の湯を愛していたとも伝えられていますが、岡田さんは茶道にも詳しいのです。茶道を通して、“和敬清寂”という、主人と客が互いを敬う心を学びたいと話していました。
これだけ信長と似通った部分があるなんて、演じるのにぴったりですよね」
木村も、信長には不思議な縁を感じているという。
「織田家の家紋は織田木瓜と呼ばれるものですが、木村さんは幼少期に時代劇を見て、木村家の家紋と同じだと知ったそうなのです。
また、今回の映画の撮影中に木村さんは49歳になりましたが、信長が本能寺の変で自害したのも、数えで49歳のときのことでした。
こうした偶然に、木村さんは信長に親近感を抱いていたそうです。木村さんの信長愛に影響され、周囲のスタッフも“信長さん”と、敬称付きで呼ぶようになりました」(前出・映画関係者)
演じる役との共通点があると、そのぶん役への愛情も深まる。木村と岡田も、演じるなかで織田信長への“ラブ”は膨らむばかりだっただろう。それぞれの信長像で天下をつかむ!