「5月12日には東京都内で『全国赤十字大会』が開催されました。日本赤十字社(以下、日赤)の名誉総裁を務められている雅子さまのほか、名誉副総裁の紀子さま、常陸宮妃華子さま、寬仁親王妃信子さま、高円宮妃久子さまの四方が臨席されました。
例年のように日赤にお勤めの愛子さまも、大会の運営のために会場にいらしたと思われます」
そう語るのは皇室担当記者。
皇室の方々が、粛々とおつとめに励まれるいっぽう、国会では皇室典範改正に向けた議論が進められている。
前出の皇室担当記者が続ける。
「この議論の軸になっているのは、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する案と、旧宮家の男系男子を養子縁組で皇族にする案です。
皇統の断絶を回避するためには、将来にわたる皇位継承のあり方についても議論しなければなりませんが、ほとんどの党と会派はこの本質的な問題は避け、“悠仁さままでの皇位継承の流れをゆるがせにしない”と、男系維持の姿勢を示しているのです」
与野党の保守派が掲げる“男系男子による皇位継承の堅持”をリードしてきたのが麻生太郎自民党副総裁であり、先月の麻生派の会合では皇室典範改正について「今国会中に実現することが何よりも求められている」などと表明した。
だが、ある宮内庁関係者はこう語る。
「与党の強硬姿勢をよそに、国民からは女性天皇を認めるべきという声が高まっています。
昨年12月に発表された読売新聞の世論調査では、女性天皇を認めることに『賛成』と答えた人は69%に上り、また今年4月に報じられた毎日新聞の調査によれば、『賛成』は61%でした。
この数字には成年された愛子さまのめざましいご活躍と、強い存在感が影響しているのは間違いないでしょう。
実は皇室のなかからも、『愛子さまこそ将来の天皇陛下にふさわしいのではないでしょうか』という声が上がり始めており、そのお一人が信子さまなのです」
■公の場でも愛子さまへの親しみを示される信子さま
’80年に寬仁親王と成婚された信子さま。その実兄は寬仁親王とも親しかった麻生氏である。
「信子さまは、ごく親しい方たちに、愛子さまが即位される未来への希望を漏らされているそうです。
《成人を姫宮むかへ通学にかよふ車窓の姿まぶしむ》
愛子さまが成年をむかえられたことの喜びを信子さまが詠まれたのですが、天皇家とはいえ、他家のお子さまをテーマにされることも異例です。
宮内庁による信子さまの歌の解説には《寬仁親王妃信子殿下には、愛子内親王殿下を、ご幼少時より深い敬意と愛情を持って見守ってこられました》などと記載されていました。見守ってきた愛子さまが、女性としても皇族としても成長されていくお姿を見て、“誠実で優しいお人柄の愛子さまに皇室の未来を託したい”というお考えにいたられたのでしょう。
公の場でも、信子さまは愛子さまへの親しみを表されていて、今年1月の新年一般参賀や2月の『第100回国風盆栽展』でも、愛子さまに積極的に話しかけられているお姿が印象的でした」(前出・宮内庁関係者)
信子さまもごく身近な方にしかお話しされていないように、皇族が皇位継承問題について公に言及されることはほとんどないが、例外もある。愛子さまご誕生後、高松宮宣仁親王妃喜久子さまは『婦人公論』(’02年1月22日号)に寄稿し、次のような文章をつづられていた。
《女性の皇族が第百二十七代の天皇さまとして御即位遊ばす場合のあり得ること、それを考えておくのは、長い日本の歴史に鑑みて決して不自然なことではないと存じます》
上皇さまは第125代、天皇陛下は第126代であり、“その次は愛子さまが”という“女性天皇容認”表明は、皇族による皇位継承についての言及として、当時大きな反響を呼んだ。
そのいっぽうで男系による皇統維持を強く提唱し続けられたのが、信子さまの夫である寬仁親王だった。生前には福祉団体の会報にエッセイを執筆されていて、次のように主張されていたのだ。
《天皇を頂点とする皇室が、世界史に類を見ない特徴として、「神話の時代」から、「現在」迄、二六六九年の永きに亘って、万世一系という男系の家系を継承されて来られた事実があります》
■母娘の対立は皇統に関する問題でも
前出の宮内庁関係者によれば、
「エッセイのなかには旧宮家の男系男子による養子論についての詳細な記載もありました。
そうした寬仁親王がお考えをつづられた文章は、’22年に『ひげの殿下日記』として出版されています。監修を担当されたのは長女・彬子さま。
特にお父さまのエッセイをあらためて出版された彬子さまは、保守的なお考えが強いようです。またお母さまやお姉さまと距離を置かれている瑶子さまですが、園遊会などでは紀子さまと親しくお話しされているご様子をお見かけしたこともあります」
ほかの皇族方で、信子さまに近い考えをお持ちなのが、高円宮憲仁親王妃久子さまだという。
「ご成婚前の天皇陛下と雅子さまが親しくなるきっかけを作られたのが、憲仁親王と久子さまでした。
英国のケンブリッジ大学大学院も修了されている久子さまとは共通の話題も多く、雅子さまは何かにつけさまざまなご相談をなさっていました。まさに10歳年上のお姉さまのように慕われてきたのです。
久子さまは雅子さまが、なかなかお世継ぎに恵まれず、愛子さまがご誕生後にも男子の出産を期待されて苦しまれていたことを心配されていたそうです。
ご自身は3人のお嬢さまたちを出産されましたが、女性に男子出産を求め続ける男系維持派の考え方には違和感を覚えていらっしゃると聞いています」(前出・宮内庁関係者)
4月下旬、『週刊文春』が『「愛子天皇」じゃダメですか?』という見出しで、女性・女系天皇を巡る議論について識者による主張を掲載している。
すでに“将来の天皇は愛子さまか、悠仁さまか”という国論の二分は始まっているのだ。そしてそれは皇室内にも波及していた。
「ただ雅子さまとしては、あくまで皇室は団結につとめるべきというお考えです。皇統のあり方についての意見の相違で、分裂するかのような状態になってしまうことを、強く憂慮されています」(前出・宮内庁関係者)
静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんはこう話す。
「かつて小泉内閣で提案された『長子相続』『女性天皇・女系天皇』をめぐる議論が、悠仁さまご誕生後になされなくなったことが、現在の状況を招いたと考えています。
女性天皇・女系天皇の容認については、長らく政治家たちが“国論を二分するような議論は望ましくない”として棚上げしてきました。しかし、その間に愛子さまも悠仁さまもご成長され、議論もお二人を念頭に置かざるをえないものになってしまい、さらに難しいものになっています。
与党には、この国民的議論を数の力で押し切るのではなく、民主主義のルールにのっとって進めていくことを望みます」
国民や皇室の分裂を回避し、雅子さまの憂悶が晴れる日は来るのだろうか。
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