『Tokyo middle 30』(フジテレビ系)で、第2の主人公として人生に迷う35歳のアパレル店長役を演じ、「可愛すぎる」と再注目されているのんさん。かつては朝の連続テレビ小説『あまちゃん』(NHK)で大ブレイクし、能年玲奈名義で国民的ヒロインとして名を馳せました。


のん、実質“地上波ゼロ”から完全復帰できたわけ。14年ぶりに...の画像はこちら >>
 しかし、事務所トラブルにより独立し、のんに改名後は、一部CMを除き地上波の露出がほぼゼロになり、「消えた天才」などのレッテルを貼られることに。芸能界史稀に見るV字回復を遂げている彼女は、いかに14年ぶり地上波ゴールデン・プライム帯ドラマにまで返り咲いたのでしょうか。

『あまちゃん』で大ブレイクからの急転直下

 のんさんは、本名でもある能年玲奈として、2006年にファッション誌『nicola』(新潮社)モデルとして芸能界入り。2013年の朝ドラ『あまちゃん』でヒロイン・天野アキ役に抜擢されると、「じぇじぇじぇ」が流行語大賞になるなど社会現象を巻き起こしました。

 弱冠20歳で若手女優の頂点に到達した彼女は、翌年公開の映画『ホットロード』でも日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞するなど、活動は順風満帆に見えました。しかし、ここから急転直下の露出消失が始まるのです。

 2016年、旧事務所との契約トラブルで独立し、本名の能年玲奈が使用出来なくなり、芸名をのんに改名。この前後、地上波ドラマ出演が激減し、実質干されたような状態に陥っていました。国民的スターが、わずか数年でテレビから消えるという異例の事態です。

のん、実質“地上波ゼロ”から完全復帰できたわけ。14年ぶりに「芸能界屈指のコメディエンヌ」に返り咲いた意地
連続テレビ小説「あまちゃん」オリジナル・サウンドトラック
 しかしのんさんは当時、改名について問われても、ポジティブな言葉を返し、発声や演技のレッスンなど、いつでも表現出来る準備を整えていたのです。

テレビから離れ、クリエイティブの道を切り開く

 テレビから離れつつも女優として仕事を待つのではなく、活躍する場所をセルフプロデュースしてきたのんさん。自ら代表を務める音楽レーベルを発足し、楽曲発表やライブを敢行。

 また、自身のブランドでは大物アーティストの衣装をアップサイクルしたり、アート作品で個展も開くなど、意思を持ってクリエイティブな道を切り拓きます。

声優や映画で認められ、数々の賞に輝く

 一方で、演技の世界でのんさんが大きく再注目されたのが、声優として主演を務めた映画『この世界の片隅に』です。

 柔らかく素朴な語り口調で、戦時中でも健気に生きる女性の生き様をありありと描き、小規模上映から口コミによって興行収入約27億円の大ヒットを記録。
同作は国内外で高い評価を受け、のんさん自身もヨコハマ映画祭審査員特別賞など数々の賞を受賞します。

のん、実質“地上波ゼロ”から完全復帰できたわけ。14年ぶりに「芸能界屈指のコメディエンヌ」に返り咲いた意地
画像:映画『さかなのこ』公式サイトより
 綿矢りささんの小説原作の映画『私をくいとめて』では自問自答を繰り返すおひとりさま女性をコミカルに演じ、さかなクンをモデルにした『さかなのこ』では性別の垣根を越え、好きなことに目を輝かせる主人公を表情豊かに体現。両作品で日本アカデミー賞などの主演女優賞を次々と獲得していきます。

 さらに主演映画『Ribbon』では脚本・監督も務め、独特の幻想的な世界観を表現。新人映画監督を対象にした新藤兼人賞最終選考にノミネートされるなど、演者としてもクリエイターとしても大きな功績を残します。

 この頃には「ドラマでは見ないが、映画界で凄まじい活躍をしている」という実力派としての認知をお茶の間に浸透させていきました。同時にテレビCMにも継続的に起用されてきたことは、彼女の透明感と前を向く芯の強さに需要があり、好感度も高く維持されてきた証拠でしょう。

30歳を迎え、ついに民放ドラマに復帰

 30歳を迎えてからは、「女優・創作あーちすと」という改名後に付けた肩書を覚悟を込めて「俳優・アーティスト」に変更。昨年の日曜劇場『キャスター』(TBS系)で、ゲストながらついに民放ドラマ復帰し、信念を貫く大学研究員役を好演しました。この頃、芸能界の風向きも大きく変わります。
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