てりやきマックバーガーは485kcal、えびフィレオは408kcal、フィレオフィッシュは338kcal……。カロリーに注目すると、ダイエット中にマクドナルドに行かないほうがいいと考えるでしょう。
ですが、栄養と医学両方の観点から食生活や健康を考える臨床栄養医学指導士の資格を持ち、女性のために正しいダイエット情報を発信しているむらPさんは、「ダイエット中にマックを食べても大丈夫」と語ります。

マックを食べるときのポイント

ダイエット中にマックを食べても大丈夫…「おすすめの組み合わせ...の画像はこちら >>
 むらPさんは、「マックを1回食べたから太るのではなく、『何を組み合わせるか』と『1日全体でどう整えるか』が重要です」と指摘し、次のように教えてくれました。

「ダイエット中に避けたいのは、マックそのものではありません。バーガーにポテト、甘いドリンク、デザートまで何となくセットにして、摂取カロリーや脂質が大きくなることです。

 例えば、バーガーを単品で選び、ポテトをサイドサラダやえだまめコーンに替え、飲み物をお茶や無糖コーヒーにする。それだけでも、カロリーや脂質をかなり調整できます。大切なのは『マックを食べないこと』ではなく、『マックの中でも選べるようになること』です」

ダイエット中に避けたい組み合わせは…

 ダイエット中はどのようなメニューを避けるといいのでしょうか。むらPさんは「てりやき系+ポテトL+シェイクは注意が必要」と指摘し、その理由を解説してくれました。

「この組み合わせは、脂質と糖質を同時に摂りすぎやすく、カロリーが一食分としてかなり大きくなります。現在のてりやきマックバーガーは485kcal、脂質31.3g。ポテトLは517kcal、脂質25.2g、炭水化物66.0g。さらにマックシェイクSは、味によって約222~226kcal、炭水化物約43~44gあります。

 合計すると約1220kcal、脂質約60g、炭水化物約147g。人によっては、これだけで1日に必要なエネルギーの半分以上を摂ることになります。
しかも、ポテトLやシェイクは食べたり飲んだりしやすいため、カロリーの割に満腹感が長続きしにくい点にも注意が必要です」

 ただし、「てりやきバーガーが悪いわけではない」とも。

「てりやきが食べたいなら、バーガーはそのまま楽しみ、サイドをサラダに替え、飲み物をお茶にする。主役を残して、脇役で調整すればいいんです。一度食べただけで体脂肪が急増するわけではありませんが、この組み合わせが毎週何度も続けば、摂取カロリーを調整しにくくなります」

ダイエット中でも食べやすいマックのメニュー

ダイエット中にマックを食べても大丈夫…「おすすめの組み合わせ」と「避けたほうがいいメニュー」
画像はイメージ(以下同)。atsushi - stock.adobe.com
 では、どのような組み合わせならダイエット中でも食べやすいのでしょうか。むらPさんがおすすめの組み合わせを5つ挙げてくれました。

おすすめの組み合わせ①:抑えめにいくなら「ハンバーガー+サイドサラダ」

「ハンバーガーは259kcal、たんぱく質13.0g、脂質9.5gです。サイドサラダと付属の焙煎胡麻ドレッシングを合わせても、合計は約296kcalです。ポテトをサラダに替えることで、揚げ物の脂質を抑えながら野菜を加えられるのがメリットです。

ただし、約296kcalは昼食としては少なめです。これで夕方に強い空腹が出てお菓子を食べてしまう人は、無理にこの組み合わせにする必要はありません。えだまめコーンを追加するなど、適度に満足感を上げたほうが、結果的に食欲を安定させやすくなります。

『少なければ少ないほど痩せる』ではなく、『次の食事まで無理なく過ごせる量』が、その人にとっての適量です」

おすすめの組み合わせ②:満足感も欲しいなら「チーズバーガー+サイドサラダ」

「チーズバーガーは310kcal、たんぱく質15.9g、脂質13.5gです。サラダとドレッシングを含めると、合計約347kcal、たんぱく質約16.8gになります。
チーズによってハンバーガーよりコクとたんぱく質が増え、満足感を得やすい組み合わせです。

 昼食を軽くしすぎると間食してしまう人には、こちらのほうが向いています。ただし、チーズの分だけ脂質と塩分も増えます。そのため、サイドをポテトやナゲットにせず、サラダにすることがポイントです」

おすすめの組み合わせ③:朝からたんぱく質を摂りたいなら「ベーコンエッグマックサンド+サイドサラダ」

「ベーコンエッグマックサンドは294kcal、たんぱく質16.3g、脂質12.6gです。サラダとドレッシングを合わせると、合計約331kcal、たんぱく質約17.2gになります。卵、ベーコン、チーズが入っているため、菓子パンだけの朝食に比べてたんぱく質を摂りやすいのが特徴です。卵が入ることで食べ応えもあります」

しっかり食べたい人向けの組み合わせも

おすすめの組み合わせ④:高たんぱくを意識するなら「エッグマックマフィン+えだまめコーン+お茶」

「エッグマックマフィンは310kcal、たんぱく質18.6gです。えだまめコーンは83kcal、たんぱく質5.2g、食物繊維2.9gです。お茶を無糖にすれば、合計約393kcal、たんぱく質約23.8gになります。今回の候補の中では、比較的たんぱく質を確保しやすい組み合わせです」

おすすめの組み合わせ⑤:しっかり食べたいなら「フィレオフィッシュ+サラダ+プチパンケーキ+爽健美茶」

「フィレオフィッシュは338kcal、プチパンケーキは161kcalです。サイドサラダ、ドレッシング、プチパンケーキ付属の『りんご&クリーム』、爽健美茶まで含めると、合計は約567kcalです。しっかり食べたい日の一食として成立しやすい組み合わせです。爽健美茶は0kcalなので、飲み物から糖質を増やさずに済みます」

ダイエット中にマックは週に何回利用してもいいの?

ダイエット中にマックを食べても大丈夫…「おすすめの組み合わせ」と「避けたほうがいいメニュー」
AdobeStock_619998257
 たとえおすすめの組み合わせでも、頻繁に通ってはダイエットになりません。

「ダイエット中の分かりやすい目安としては、まず週1~2回程度です。
ただし、週1回なら必ず痩せる、週3回なら必ず太るという意味ではありません。体重の変化は、1週間を通した摂取カロリーや栄養バランス、活動量などで決まります。毎回1000kcalを超えるようなセットなら週1回でも調整が難しくなります。一方、300~500kcal程度の組み合わせを選び、ほかの食事も整っていれば、週2回でも減量を進められる人はいます。

 最初は週1~2回を目安にして、体重や食欲の変化を見ながら調整するのが現実的です。また、『今日はマックを食べるから朝食を抜こう』『翌日は野菜だけにしよう』と極端に減らす必要はありません。それをすると空腹が強くなり、かえって食欲が乱れやすくなります。前後の食事はいつもどおり、ご飯、たんぱく質、野菜を適量食べてください」

 マックを利用する時間帯を意識するのも重要なポイントです。

「選べるなら、朝から昼がおすすめ。食事後に通勤、家事、仕事などで体を動かす時間があり、夕食で脂質やカロリーを調整しやすいからです。夜に食べたら自動的に脂肪になるわけではありませんが、遅い時間に高脂質なセットを食べると、胃が重くなったり、就寝までの時間が短くなったりする人もいます。

 また、『昼ならポテトLとシェイクをつけても大丈夫』ということではありません。
同じメニューが時間帯だけで低カロリーになるわけではないので、最優先は組み合わせと量です。夜に食べる場合は、倍バーガーやポテトLを避け、通常サイズのバーガー、サイドサラダ、お茶など、シンプルな組み合わせにすれば大丈夫です」

マック以外のハンバーガーチェーンを利用しても大丈夫!

 むらPさんが教えてくれた考え方は、ほかのハンバーガーチェーンでも利用できます。

「基本的には同じ考え方で大丈夫ですが、同じ『ハンバーガー』という名前でも、チェーンや商品によってサイズ、ソース、パティの量、脂質が大きく異なります。メニューを選ぶときは、4つのポイントを意識してください」

【選び方の4つのポイント】
①バーガーは、まず通常サイズやパティ1枚の商品を選ぶ
②サイドは、ポテトではなくサラダやスープを優先する
③飲み物は、お茶、無糖コーヒー、無糖紅茶などを選ぶ
④揚げ物、チーズ、マヨネーズ系ソース、ベーコンを一度に重ねすぎない

「例えば、チーズ入りのバーガーを選んだ日はサイドをサラダにする。ポテトがどうしても食べたい日はSサイズにして、飲み物はお茶にする。このように『全部をヘルシーにする』のではなく、『食べたいものを1つ決めて、ほかで調整する』のが続けやすい方法です。

 各チェーンが栄養成分を公開している場合は、商品名のイメージではなく、カロリー、たんぱく質、脂質を確認してください。『野菜バーガー』や『和風バーガー』など、健康的に見える名前でも、ソースや揚げ物によって脂質が高いことがあります」

 むらPさんは、「ダイエット中だからといって、マックと絶縁する必要はありません」と語り、次のようにアドバイスしてくれました。

「『食べたらダメ』と禁止すると、ずっと我慢した末にポテトLとシェイクまで一気に頼んでしまうことがあります。人間、禁止されると急に会いたくなるんですよ。マック、元恋人みたいな存在です(笑)。大切なのは、我慢ではなく、PFCバランスと組み合わせを知ること。
バーガーは好きなものを選び、サイドをサラダやえだまめコーンにする。飲み物はお茶にする。ポテトを食べるならサイズを小さくして、ほかの高脂質なメニューを重ねない。

 このように選べるようになると、ダイエット中でも外食を楽しめます。ダイエットとは、好きなものを食べない人生をつくることではありません。好きなものを食べながら健康を守れる自分になることです。つまり、我慢ではなく、PFCのバランスを知って『どう組み合わせるか』。それが分かれば、食の自由はもっと広がります」

<文/むらP>

【むらP】
女性専門オンラインダイエットスクール「JITA痩せ」代表。フォロワー13万人のInstagramでは「頑張ってるのに痩せない理由」をわかりやすく解説している。食事、運動、生活習慣から一人ひとりに合ったダイエット方法を提案するサポートが反響を呼んでいる
編集部おすすめ