「老後は友達がいないと寂しい」「趣味の仲間がいないと、つまらないかも」。そんな世間の声に、焦りを感じることはありませんか。


一方で、「人付き合いにもお金がかかる」「一人で過ごすほうが気楽」というのも、正直な気持ちでしょう。そもそも、孤独は悪いことなのでしょうか。今回は、群れない暮らしの心地よさと、一人だからこそ見えてくる楽しみをご紹介します。

■「友達がいない」は、人間関係を整理した姿かもしれない
60代になるまで、私たちは家族のため、仕事のため、世間体のために、気を使う関係を保ってきました。「先々のことを考えると、むげにできない」「気乗りしないけれど、誘いに乗っておこう」。そんなふうに、自分の気持ちを後回しにして続けてきた付き合いも、多かったはずです。

そうした関係が途絶えると、煩わしかったはずなのに、寂しさを感じることもあります。けれど、見方を変えてみましょう。人付き合いが減ったのは、自分の「好き・嫌い」に正直になった結果でもあるのではないでしょうか。

人間関係は、誰かに頼れば楽になる半面、振り回されることもあります。付き合いが減り、時間を自分の意思で使えるようになったことは、大きな自由です。

誰かと一緒にいると、つい「演じる自分」になりがちです。
一人の時間が増えれば、ありのままの自分で過ごせます。「気ままに散歩していると、幸せを感じる」。そんな小さな発見の積み重ねが、日々を支える土台になります。

■一人の自由を楽しみつつ、「ゆるいつながり」は持っておく
一人の時間を楽しむことは大切ですが、社会とのつながりを、最低限は残しておきたいものです。

▼近所付き合いは、あいさつから「遠くの親戚より近くの他人」という言葉のとおり、近所の人とは、あいさつを交わす程度の関係をつくっておくと安心です。会釈だけでも、お互いの存在を感じられます。いざというときの支えになります。

▼スマホを使いこなす自治体からのお知らせやイベントの申し込みは、スマホが主流になりつつあります。情報から取り残されないよう、便利な道具として使いこなしましょう。新しい知識や、地域の情報にも、簡単にたどり着けます。

▼買い物で地元の店を利用する(プレミアム商品券の活用)スーパーでまとめて買い、ポイントをためるのも効率的ですが、近所の店を使ってみるのもおすすめです。物価高騰対策として自治体が発行する「プレミアム商品券」を使えば、お得に買い物ができます。
例えば、5000円で7000円分の買い物ができる商品券なら、4割増です。利用先は、原則として、発行した地域の対象店舗に限られます。この機会に、気になっていた地元の店を試してみてはいかがでしょうか。

「地元のケーキ屋さんの素朴なケーキがおいしかった」「お総菜屋さんのハムカツやシュウマイが絶品だった」「近くの美容院が便利で、そのまま行きつけになった」など。私の周りでも、実際に使ってみた方が、新しいお気に入りの店を見つけたと話してくれました。

▼ボランティア活動子どもの見守りや、近所の高齢の方への声掛け。保護猫活動の預かりボランティアなど。一人の時間も楽しいものですが、人の役に立つことで、充実感を得られる場合もあります。助け合いのつながりも、大切にしたいものです。

■孤独を楽しみながら、家計も守る
「老後、友達がいない」。世間では、寂しいことと考えられがちです。けれど、見方を変えれば、しがらみがなく、お金と時間を自分のために使える状態です。


群れない暮らしは、気持ちの自立だけでなく、家計の面でもプラスになります。見栄のための付き合いや、気乗りしない会食に使っていた交際費が減るだけで、家計にゆとりが生まれます。浮いたお金は、健康を支える食材や、やってみたかった小さな学びに回しましょう。自分が納得できる使い方ができるのは、一人の時間を楽しめる人ならではの良さです。

誰の目も気にせず、自分の心が動くままに、お金と時間を使う。そんな暮らしを、気楽に楽しんでみましょう。

文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)
会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方を発信。3匹の保護猫と暮らす。All About おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド。
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