(台北中央社)監察院の人事に不満を持つ野党・国民党の立法院党団(議員団)に占拠されていた立法院(国会)が29日正午過ぎ、与党・民進党により奪還された。游錫堃(ゆうしゃくこん)立法院長(国会議長)が議長席に着くと、監察院人事案などの審議のための臨時会召集に関する採決が取られ、賛成多数で開会が決まった。
期間は29日から来月22日までで、監察院人事案は来月17日に採決が行われる見通し。

公務員や行政機関の監督などを担当する監察院の院長に陳菊(ちんきく)前総統府秘書長が指名されたことに反発している国民党。陳氏が高雄市長として率いていた市政府チームの弾劾案などが進行中であることを理由に挙げている。29日朝の与野党協議を前に、国民党の複数立法委員(国会議員)が28日午後、立法院に押し入りバリケードを築くなどして議場を占拠。蔡英文(さいえいぶん)総統が陳氏の指名を撤回しない限り立法院から撤退しないとしていた。

国民党が29日朝の与野党協議に欠席すると、民進党の立法委員も午前11時ごろに議場に突入。
約1時間にわたるもみ合いの末、民進党が議場を奪還した。

国民党の江啓臣(こうけいしん)主席(党首)は、監察院の人事について最後まで反対するとの姿勢を示している。

(陳俊華、范正祥、王承中/編集:楊千慧)