(台北中央社)南部・高雄沖で海砂を違法採取したとして排他的経済水域および大陸棚法違反の罪に問われていた中国の海砂採取船の船長の上告審で、最高法院(最高裁判所)は1日までに、船長の上告を棄却した。懲役1年10月が確定した。


一審・台湾橋頭地方法院(地裁)の判決によれば、船長は2022年4月25日、船員9人を乗せた海砂採取船「華益9号」で中国福建省を出発。26日午前5時ごろに高雄・興達港沖に到着し、海砂を違法に採取した。船長は海洋委員会海巡署(海上保安庁に相当)が乗船検査を行おうとした際、証拠隠滅のために船上の海砂を海中に廃棄するよう船員に指示した。検査の時点で、船内には海砂300トンが残されていた。

船員9人は犯行を認め、一審で懲役1年、執行猶予2年の判決が下された。一方、船長は犯行を否認。
橋頭地裁は懲役1年10月を言い渡した。船長はこれを不服として控訴。控訴審で船長は犯行を認める代わりに刑の軽減を交渉する「答弁取引」を願い出たものの、海砂を海に降ろしたことのみを認め、採取は否定した。二審の台湾高等法院(高裁)高雄分院は答弁取引を適用せず、一審の判決を支持した。

(謝幸恩/編集:田中宏樹)