(屏東中央社)南部・屏東県牡丹郷で22日、牡丹社事件(台湾出兵)で大規模な戦闘が起きた県定史跡、石門古戦場の史跡碑の除幕式が行われた。出席した周春米(しゅうしゅんまい)県長は、屏東の恒春半島を起点に世界に向けて平和の信念を伝えると語った。


牡丹社事件は1871年に台湾南東部に漂着した宮古島民54人が台湾原住民(先住民)族パイワン族に殺害されたのを受け、74年に日本軍が南部に侵攻し、恒春半島一帯で約半年にわたり占領体制を敷いた一連の出来事。

周県長は、事件は言語や文化の違いによる誤解によって起きたとの見方を示し、これまでの150年間には当事者やその子孫らが平和のために積極的な交流や相互理解、相互尊重に努めてきたと振り返った。

また原住民族委員会の曽智勇主任委員(大臣)は、引き続き原住民族の移行期の正義の取り組みを進め、各族の言葉や文化を育み、集落とのつながりを深め、国際的な視野を持たせるなど、相互に尊重する美しい社会の実現に向けて努力すると意気込んだ。

除幕式では同郷クスクス(高士)集落のシャーマンが祈りをささげ、地元の団体が団結や協力、平和、共存のメッセージを伝える劇を演じた。日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会高雄事務所の奥正史所長や沖縄県宮古島市の大城裕子教育長、同市議会議員らも出席した。

(黄郁菁/編集:齊藤啓介)